POWER SUPPLY / 電力調達の仕組みを知る
法人電気料金への影響を読む
日本の電源構成は年々変化しています。FY2023→FY2026の4年間で火力比率は66.6%→56.4%に低下し、 再エネは26.1%→27.7%に上昇、原子力もFY2024の861MW→FY2026の1,326MWと回復傾向にあります。 9エリア合計の30分値実績データ(30万件超)から、法人の中長期的な電力調達戦略に必要な トレンドを読み解きます。
火力比率の変化
66.6% → 56.4%
FY2023 → FY2026
再エネ比率の変化
26.1% → 27.7%
FY2023 → FY2026
原子力の回復
861 → 1,326 MW
FY2024 → FY2026 平均出力
太陽光出力の推移
1,129 → 1,224 MW
FY2023 → FY2026 平均
火力・原子力・再エネの年度別平均出力(MW)です。火力の縮小と原子力・再エネの増加が読み取れます。
出典: 各一般送配電事業者公表の30分値データを集計。FY2026は4月上旬までの暫定値。
| 年度 | 需要(MW) | 火力 | 火力比率 | 再エネ | 再エネ比率 | 原子力 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 9,631 | 6,410 | 66.6% | 2,512 | 26.1% | 1,880 |
| FY2024 | 11,032 | 7,475 | 67.8% | 2,492 | 22.6% | 861 |
| FY2025 | 11,002 | 7,286 | 66.2% | 2,609 | 23.7% | 961 |
| FY2026 | 10,254 | 5,786 | 56.4% | 2,836 | 27.7% | 1,326 |
FY2026でも火力は56.4%を占めており、LNG・石炭の国際価格が法人電気料金を大きく左右する構造は変わりません。 ただしFY2023比で10ポイント低下しており、燃料費変動の「感応度」は徐々に下がっています。
再エネ比率は26.1%→27.7%と1.6ポイントの増加に留まりますが、太陽光の集中導入によりダックカーブが深化し、 昼夕の市場価格差が拡大しています。比率以上に「時間帯別の影響」が大きい点が特徴です。
FY2024の861MW→FY2026の1,326MWと、関西・九州を中心に原子力のベースロード供給が増加。 これらのエリアでは火力の出力余力が生まれ、JEPX市場価格が相対的に安定しやすい構造に。 一方、原子力ゼロの北海道・中部・北陸との格差が拡大しています。
火力比率はまだ50%超。LNG・石炭価格の変動リスクは依然として大きく、 固定価格型プランによるリスクヘッジが有効です。特にLNG依存エリア(東京・中部)では要注意。
再エネの導入が進むほどダックカーブが深化し、時間帯別の価格差が拡大。 市場連動型プランの企業は需要シフトや蓄電池の導入で昼間の安い電力を活用する戦略が有効。
脱炭素政策の加速により再エネ比率はさらに上昇。カーボンプライシングが導入されれば 火力電源のコストが上昇し、再エネやPPAの経済合理性が高まる可能性があります。
新規事業所の設置や工場移転を検討する場合、エリアの電源構成は電力コストの構造的な差を生みます。エリア別電源構成マップで 各エリアの特徴を比較してください。
※ FY2026は2026年4月上旬までの暫定集計です。再エネ比率は発電端ベース(送電ロス・自家消費分を含む)で 算出しており、最終需要端の数値とは異なります。また、年度ごとのデータ収集エリア数にばらつきがあるため、 単純な年度間比較には注意が必要です。
A.①自社発電、②相対契約(特定発電事業者から購入)、③JEPX市場、④先物市場、⑤再エネPPA、の5経路が主流です。各事業者の調達構成は公表されています。
A.需給バランスで決まります。需要が高い・供給が逼迫すると価格上昇、再エネ大量発電や需要低下で価格下落。30分単位で売買されます。
A.将来の供給力(発電所)を確保するための市場です。2020年に初回オークション開始、2024年から供給開始。コストは小売事業者経由で需要家に転嫁されます。
A.容量市場は「将来の発電能力」を取引、需給調整市場は「リアルタイムの調整力」を取引。両者は補完関係にあり、安定供給の二本柱です。
A.東京商品取引所(TOCOM)・欧州エネルギー取引所(EEX)で取引可能。大手法人がリスクヘッジ目的で活用する事例があります。中小企業には敷居が高め。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
現在の契約内容と使用パターンから、燃料費変動・再エネ賦課金のリスクを数値化できます。
記事を読んで気になった点があれば、エネルギー情報センターにお気軽にご相談ください。法人・自治体の電力契約に精通したスタッフが、中立的な立場で判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。