再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、FIT・FIP 制度で買い取られた再生可能エネルギー電力のコストを、 電気の使用者全員で負担するための制度上の上乗せ費用です。電力会社を問わず全ての需要家の請求書に計上されます。
このページでは、2012年度(制度開始)から2026年度までの単価推移、計算方法、燃料費調整額との違い、 法人規模別の月額負担までを、実データとグラフを交えて整理します。
2012年度 単価
0.22 円/kWh
2026年度 単価
4.18 円/kWh
増加倍率(2012→2026)
約 19.0 倍
再エネ賦課金は、2012年7月に施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」 (いわゆるFIT法)に基づき、再生可能エネルギーの普及拡大を支えるため電気使用量 1kWh あたりで課される負担金です。
電力会社は再エネ電力を国が定めた調達価格で買い取る義務を負いますが、そのコストを単独で負担するのではなく、 電気を使用する全ての需要家が使用量に比例して分担する仕組みです。小売料金の一部として請求書に記載されます。
制度開始時の 0.22 円/kWh から、FIT 買取認定量の拡大とともに単価は急上昇しました。 2022 年度まで右肩上がりで推移した後、2023 年度は卸電力市場価格の高騰により回避可能費用が大幅に上がった影響で、 いったん 1.40 円/kWh まで急落。しかし 2024 年度以降は再上昇し、2026年度には 4.18 円/kWh と過去最高水準になっています。
出典: 資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電促進賦課金」単価告示(2012〜2026年度)。
| 年度 | 単価(円/kWh) | 前年差(円) | 前年比(%) | 家庭月額(300kWh換算) |
|---|---|---|---|---|
| 2012年度 | 0.22 | — | — | 66 円 |
| 2013年度 | 0.35 | +0.13 | +59% | 105 円 |
| 2014年度 | 0.75 | +0.40 | +114% | 225 円 |
| 2015年度 | 1.58 | +0.83 | +111% | 474 円 |
| 2016年度 | 2.25 | +0.67 | +42% | 675 円 |
| 2017年度 | 2.64 | +0.39 | +17% | 792 円 |
| 2018年度 | 2.90 | +0.26 | +10% | 870 円 |
| 2019年度 | 2.95 | +0.05 | +2% | 885 円 |
| 2020年度 | 2.98 | +0.03 | +1% | 894 円 |
| 2021年度 | 3.36 | +0.38 | +13% | 1,008 円 |
| 2022年度 | 3.45 | +0.09 | +3% | 1,035 円 |
| 2023年度 | 1.40 | -2.05 | -59% | 420 円 |
| 2024年度 | 3.49 | +2.09 | +149% | 1,047 円 |
| 2025年度 | 3.98 | +0.49 | +14% | 1,194 円 |
| 2026年度 | 4.18 | +0.20 | +5% | 1,254 円 |
請求額に占める再エネ賦課金は、次の単純な式で求められます。
単価は全国一律なので、契約電力会社やメニューを切り替えても金額は変わりません。 月間使用量が大きい法人ほど金額に大きく影響する、純粋な「使用量比例」の費目です。
同じ単価でも、月間使用量が違えば再エネ賦課金の負担額は大きく変わります。主要な業態別に月額・年額を試算しました。
| 業態目安 | 月間使用量 | 月額負担 | 年額負担 |
|---|---|---|---|
小規模オフィス 事務所・小規模店舗 | 3,000 kWh | 12,540 円 | 150,480 円 |
中規模店舗 飲食・物販の中規模テナント | 10,000 kWh | 41,800 円 | 501,600 円 |
中規模工場・倉庫 設備稼働のある事業所 | 50,000 kWh | 209,000 円 | 2,508,000 円 |
大規模施設 ショッピングモール・中規模工場 | 200,000 kWh | 836,000 円 | 10,032,000 円 |
大規模工場 連続操業の製造現場 | 1,000,000 kWh | 4,180,000 円 | 50,160,000 円 |
※ 単価は全国一律のため、電力会社を切り替えても同じ金額が計上されます。月次 1,000,000 kWh の大規模工場では、 再エネ賦課金だけで月 400 万円規模の負担になります。
A.燃料費(LNG・石炭)の国際価格上昇、再エネ賦課金の増加、容量拠出金の新設、託送料金改定、カーボンプライシング導入が主な要因です。複数要因が同時に進行し、中長期的に上昇圧力が続きます。
A.LNG・石炭・原油の輸入価格変動を電気料金に反映する調整額です。kWhあたりで加減算され、原油価格が高騰すると料金全体が大きく上昇します。毎月更新され、請求書に別項目で記載されます。
A.2012年度の0.22円/kWhから2024年度は3.45円/kWh程度まで上昇。再エネ普及とともに今後も上昇傾向で、2030年度には4円/kWh超の可能性があります。年間使用量100万kWhなら賦課金だけで約345万円の負担です。
A.将来の供給力確保のため、小売電気事業者が負担する料金で、2024年度から本格稼働。需要家には小売料金を通じて転嫁されます。kWhあたり数十銭〜1円程度の上昇要因となります。
A.①プラン見直し(固定・市場連動・TOU)、②切替先との相見積もり、③デマンド削減による基本料金圧縮、④再エネPPA・自家発電の検討、⑤省エネ投資、の順で取り組むのが効果的です。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
| 比較観点 | 再エネ賦課金 | 燃料費調整額 |
|---|---|---|
| 根拠 | FIT・FIP法 | 電気事業法および料金算定規則 |
| 変動要因 | FIT認定量・回避可能費用 | LNG・原油・石炭のCIF価格 |
| 改定頻度 | 年1回(毎年5月検針分〜) | 毎月 |
| 電力会社差 | 全国一律(同じ単価) | 電力会社ごとに異なる |
| 符号 | 常にプラス | プラスにもマイナスにもなる |
詳しくは 燃料費調整額の解説で確認できます。
再エネ賦課金は、過去推移・計算方法・減免制度など切り口が多いテーマです。個別論点は次の解説ページで整理しています。
賦課金を燃料調整や内訳・上昇幅・長期推移と分けて見ると、請求の説明がしやすくなります。
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制度要因を含めた上昇要因の全体像を整理できます。
法人向け電気料金の10年推移
制度改定を含む長期の位置づけを確認できます。
燃料費調整額の仕組み
賦課金と混同しやすい燃調費の役割を切り分けられます。
容量拠出金とは
再エネ賦課金と並ぶ制度要因として、容量拠出金の仕組みと影響を確認できます。
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この記事の著者: 江田 健二(一般社団法人エネルギー情報センター 理事 / RAUL株式会社 代表取締役)— 電力・エネルギー業界20年以上、書籍20冊以上執筆、内閣府・中小企業庁・商工会議所登壇多数プロフィール →
制度項目を理解したうえで、現行契約と候補条件を同条件で比較すると、見直し判断を具体化しやすくなります。
燃調費や市場連動、再エネ賦課金など、料金が上がる要因を自社の契約に当てはめると、今後の影響額が具体的に見えてきます。読み解きに不安があるときや、社内説明の材料が必要なときは、専門家へお気軽にご相談ください。
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