MUNICIPALITY / 自治体・公共向け
補正予算の提案説明・決算審査・予算審査・一般質問と、議会で電気代高騰について説明する場面は多岐にわたります。 場面ごとに「何を・誰に・どう説明するか」が異なり、不適切な資料構成は委員会での追及につながります。 本ページでは各場面での説明資料の構成・記載例・想定Q&A、図表の作り方まで財政・総務担当者向けに解説します。
議会での電気代説明は、場面によって目的・聴衆・求められる内容が異なります。 まず自分が対応する場面を確認してください。
| 場面 | 対象委員会等 | 目的 | 説明の核心ポイント | 資料形式 |
|---|---|---|---|---|
| 補正予算の提案説明 | 総務委員会・予算特別委員会 | 電気代不足の理由と補正額の妥当性を説明 |
| A4横・4〜6ページ程度の説明資料+別添資料(グラフ) |
| 決算審査での質疑応答 | 決算審査特別委員会 | 光熱水費の予算対比執行状況を説明 |
| 決算書の付属資料として施設別集計表を添付 |
| 次年度当初予算の説明 | 予算審査特別委員会 | 光熱水費の積算根拠と今後のコスト見通しを説明 |
| 事業シートに積算根拠を詳細記載。グラフを別添 |
| 一般質問への答弁 | 本会議 | 電力調達・コスト管理に関する議員質問への回答 |
| 答弁原稿(口頭)+必要に応じて資料配布 |
STEP 1
説明の「目的」と「聴衆」を明確にする
補正予算の承認を得るのか、決算審査で事実を説明するのかによって資料の構成が変わる。委員会の種類・議員の関心事項(節電・コスト削減・他市比較等)を事前に把握しておく。
STEP 2
数値データの収集と整理
施設別の電気代実績(月別・年度別)、予算現額、単価推移、使用量推移を収集。複数年にわたる推移グラフを作成することで「構造的な問題」であることが視覚的に伝わる。
STEP 3
市況データの引用
資源エネルギー庁の電力市場動向レポート、JEPXスポット価格、燃料費調整単価の推移など公的データを引用する。自治体独自の主観判断でなく客観的事実であることを示す。
STEP 4
説明資料の構成を設計する
「①結論(補正額〇〇万円)→②理由(市況上昇・使用量)→③根拠データ(グラフ・表)→④再発防止策」の順で構成する。「何を・なぜ・いくら」が一目でわかる構成が委員会での質疑を減らす。
STEP 5
想定Q&Aの作成と内部共有
委員からの予想質問と回答を5〜10問程度作成し、担当課長・部長と共有する。「なぜ当初予算で対応できなかったのか」「他市との比較はどうか」「節電努力はしたのか」が定番質問。
STEP 6
首長・副首長へのレク
補正予算提案の前日までに首長・副首長への事前説明を実施。議会での答弁は首長が行う場合もあるため、数値・文脈を正確に共有しておく。
以下の構成を基本フレームとして、各自治体の実情に合わせてカスタマイズしてください。
| セクション | 記載内容 |
|---|---|
| 表紙・概要 | 補正理由・金額・対象施設を1枚で要約。最初のページで結論を示す |
| 1. 電気代高騰の背景 | 市況推移グラフ(JEPXスポット価格・燃料費調整単価)を掲載。外部要因であることを示す |
| 2. 予算対比の執行状況 | 施設別の予算現額・執行額・残額の一覧表。不足額の内訳を明示 |
| 3. 積算の根拠 | 残月数×推定使用量×推定単価の計算式と前提を記載。表形式で施設別に示す |
| 4. 財源の確保 | 財政調整基金取り崩し・流用・予備費充当のいずれかと金額を記載 |
| 5. 再発防止策 | 翌年度当初予算の積算方法改善・調達見直し計画を箇条書きで示す |
電力単価の推移グラフ
2020年度以降の月別単価推移を折れ線グラフで表示。当初予算単価ラインを点線で示すと、 乖離が視覚的に明確になる。JEPXスポット価格との連動性を示すと説得力が増す。
施設別執行状況の棒グラフ
施設ごとの予算現額と執行見込みを積み上げ棒グラフで表示。超過見込み施設を色分けすると 委員が視覚的に把握しやすい。
使用量vs.単価の散布図または2軸グラフ
コスト上昇が「使用量の増加」と「単価上昇」のどちらによるものかを分解して示す。 使用量は横ばいでも単価上昇でコストが増えていることが伝わる。
他自治体比較表
近隣・同規模自治体の光熱水費の対予算比や単価水準と比較する表を添付。 自団体のコスト管理が妥当であることを示す材料になる。
中核市(人口25万人規模):補正予算説明資料に「JEPXスポット価格の過去5年推移グラフ」と「燃料費調整単価の月別推移表」を添付。 委員から「電力市場のことがよくわかった」と評価され、補正予算は全会一致で可決。
一般市(人口6万人規模):決算審査で光熱水費の大幅超過を問われ、施設別執行状況一覧・単価推移グラフ・近隣市比較表の 3点セットで回答。「丁寧な資料で理解できた」との評価を委員長から受けた。
A.原則として競争入札(一般入札・指名入札・プロポーザル)で決定します。地方自治法・契約規則に基づき、透明性・公正性が求められます。
A.①予算年度に縛られる、②議会承認が必要なケースあり、③単年度・複数年度契約の選択、④価格変動リスクへの対応制約、⑤入札仕様書作成の専門性、などです。
A.①入札仕様書の最適化(過度な制約を排除)、②複数年契約の活用、③省エネ設備導入、④施設別の使用パターン把握、⑤一括契約による調達力強化、の5点です。
A.経営安定性・供給実績の確認、財務健全性指標の確認、撤退時の対応条項を契約に盛り込むことで、リスクを管理できます。複数社の比較検討が必須です。
A.①コスト削減根拠データ、②選定プロセスの透明性、③供給安定性の根拠、④環境価値(再エネ比率)、⑤緊急時対応、を分かりやすく整理して説明します。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
シミュレーターで電力コストを試算し、補正予算説明資料のデータとしてご活用ください。詳細なご相談はお気軽にどうぞ。
記事を読んで気になった点があれば、エネルギー情報センターにお気軽にご相談ください。法人・自治体の電力契約に精通したスタッフが、中立的な立場で判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。