SUBSIDY / 補助金・助成金
SHIFT事業と電力コスト戦略
SBT認証・脱炭素経営支援の活用
大手企業からのサプライチェーン脱炭素要請や投資家のESG評価対応に追われる企業が増えています。 環境省の「SHIFT事業」はGHG排出量の算定・削減計画策定・SBT認証取得に係る費用を支援する制度で、 電力コスト削減につながる省エネ・再エネ投資と組み合わせることで経営上のメリットを最大化できます。
なぜSHIFT事業が注目されるか
2025年以降、上場企業へのTCFD開示義務化や欧州CSRDの適用拡大により、 日本企業はサプライチェーン全体のGHG排出量(Scope1〜3)の把握と削減計画の開示を求められています。 これは大企業だけでなく、サプライチェーン上の中小・中堅企業にも波及しています。
SHIFT事業はこうした背景を受け、GHG算定・削減計画策定・認証取得という「脱炭素の入口」を補助します。 計画策定後に省エネ設備更新(SII補助金)や再エネ調達(PPA補助金)を実施することで、 電力コストの削減と脱炭素経営の両立が現実的な選択肢になります。
SHIFT事業 制度概要(目安)
※ 補助率・上限額・公募時期は年度により変更されます。必ず環境省の最新公募要領をご確認ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 脱炭素化に向けた省エネ等の推進事業(SHIFT事業) |
| 実施機関 | 環境省 |
| 主な支援内容 | GHG排出量算定・削減計画策定・SBT等認証取得費用等 |
| 補助率(目安) | 対象費用の概ね1/2〜2/3(事業区分・規模による) |
| 補助上限額(目安) | 区分・事業規模による(要公募要領確認) |
| 対象企業 | 主にサプライチェーン上の中小企業、自社削減目標設定を目指す法人 |
| 公募時期(目安) | 2026年度:環境省サイトで要確認 |
| 特徴 | 削減計画策定後の設備投資(省エネ・再エネ)との連携が期待される |
主な補助対象費用
GHG排出量の算定・モニタリング費用
サプライチェーン排出量(Scope1〜3)の算定に係るコンサルタント費用・システム費用
脱炭素化計画の策定費用
SBT・RE100等の認定基準に沿った削減目標・行動計画の策定コンサルタント費用
認証取得に係る費用
SBT(Science Based Targets)の申請・審査費用の一部
省エネ診断費用
専門機関による省エネ診断の実施に係る費用
従業員研修・啓発費用
脱炭素化推進のための社内研修・教材作成費用(条件による)
※ 補助対象費用の範囲は年度・区分により異なります。必ず最新公募要領で確認してください。
活用シミュレーション(想定例)
※ 以下はあくまで想定例です。実際の補助額・効果は事業規模・区分・申請内容により異なります。
パターンA:中小製造業のSBT認証取得
- ・ 想定費用:SBT申請・コンサル費:約200〜400万円
- ・ 補助金効果:補助率1/2の場合、概ね100〜200万円の補助
- ・ 期待されるメリット:認証取得により大手顧客からの取引継続・新規獲得機会が増える
※ SBT取得によりサプライチェーン要請をクリアする中小企業が増加中
パターンB:中堅企業のGHG削減計画策定+省エネ連動
- ・ 想定費用:GHG算定・計画策定:約500〜1,000万円
- ・ 補助金効果:概ね250〜500万円の補助を想定
- ・ 期待されるメリット:計画策定後に省エネ補助金(SII)と組み合わせて設備投資も支援
※ SHIFT事業で計画を策定し、SII補助金で設備更新する二段活用が効果的
パターンC:グループ企業のScope3削減対応
- ・ 想定費用:Scope3算定・サプライヤー教育:1,000〜3,000万円
- ・ 補助金効果:区分・規模によるが数百万〜1,000万円超の補助も
- ・ 期待されるメリット:開示義務(TCFD・CSRD)対応のコスト削減に直結
※ グループ全体でのGHG管理体制構築に有効
省エネ・再エネ補助金との組み合わせ戦略
SHIFT事業で「脱炭素削減計画」を策定した後、その計画に沿って省エネ設備投資(SII補助金)や 再エネ調達(需要家主導型PPA補助金)を実施すると、電力コスト削減と脱炭素化が同時に進みます。
削減計画策定・認証取得費用を補助
計画に基づく設備更新費用を補助
経営価値の向上
※ 各補助金の同一設備への重複申請は不可です。費用の内訳を整理したうえで申請計画を策定してください。
申請の流れ
公募要領の確認・区分の選択
SHIFT事業は複数の区分に分かれている場合があります。自社の状況(中小・中堅・大企業、Scope1〜3の対象等)に合った区分を選択する。
GHG排出量の現状把握
現状のScope1〜3排出量を概算でも把握しておくと申請書の説得力が増す。既存の環境報告書や電力使用量データを活用する。
コンサルタント・実施機関の選定
SHIFT事業では登録コンサルタント等を経由する場合があります。補助金申請実績のある事業者を選ぶと採択率が上がる傾向があります。
事業計画書・申請書の作成
削減目標・スケジュール・予算計画を明記する。電力コスト削減への具体的な言及が評価される。
採択・計画策定の実施
採択後に計画策定を開始。途中報告が求められる場合があります。
完了報告・補助金受領
計画策定完了後に実績報告書を提出して補助金を受領する。
申請時の注意点・よくある失敗
⚠ 「計画策定だけ」で終わらせる
SHIFT事業は計画策定を支援しますが、その後の設備投資は別の補助金(SII等)を組み合わせる必要があります。計画策定後のロードマップを見据えて動くことが重要です。
⚠ 認証要件と補助対象費用のズレ
SBT申請費用のうち補助対象外となる費用がある場合があります。公募要領で補助対象費用の定義を必ず確認してください。
⚠ 計画が絵に描いた餅になる
採択後に実際の削減施策が進まないと、次回の申請や顧客への説明に矛盾が生じます。実行可能な目標設定が重要です。
⚠ 電力データの収集が不十分
GHG算定にはScope2(電力由来)の正確なデータが必要です。事前に電力使用量の実績データを取引電力会社から入手しておきましょう。
情報の鮮度についての注記
本ページの情報は2026年4月時点の公開情報をもとにしています。補助金制度は年度ごとに内容・補助率・上限額が変更される場合があります。 申請前に必ず各実施機関の最新公募要領をご確認ください。
- ・ SII(環境共創イニシアチブ): https://sii.or.jp/
- ・ 資源エネルギー庁: https://www.enecho.meti.go.jp/
- ・ 環境省: https://www.env.go.jp/
関連ページ
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