複数テナントが入居するビル・商業施設で、電気代をどう按分・請求するかのルールと実務を整理します。
商業ビル・オフィスビルでは、ビルオーナーが電力会社と一括契約し、テナントには共益費・専有部電気代として転嫁するパターンが多いです。この場合、テナントはビル経由で間接的に電気代を支払います。
一方で、テナントが個別契約(メーターごと)を持ち、電力会社に直接支払うパターンもあります。契約形態により管理責任・自由度が変わります。
ビル一括契約の場合、サブメーター(戸別メーター)を設置して実使用量を計測し、それに基づいて按分するのが公平な方式です。メーターなしで面積按分するケースもありますが、使用パターンによる差を反映できません。
按分ルール(単価・基本料金比率・共用部の扱い)は、賃貸借契約または管理規約で明示する必要があります。
2023年のインボイス制度導入により、ビルオーナーからテナントへの電気代請求もインボイス発行が必要です。ビルオーナーが適格請求書発行事業者でなければ、テナント側で仕入税額控除できなくなります。
契約見直し時は、ビルオーナーの登録状況と請求書フォーマットを確認しておくことが重要です。
【ビル一括契約+実費按分】:ビル全体の電気代を、サブメーター実測値で按分。テナントには自由度なし。単価が低めに設定されるケース多。
【ビル一括契約+面積按分】:サブメーターなし、床面積比で按分。実使用量と乖離するリスクあり。不公平感の原因。
【個別契約】:テナントが電力会社と直接契約。自由度・価格交渉権あり。ただし、小規模テナントは単価が高めに。
規模の大きいテナント(年間数百万円以上)は個別契約が有利なケースが多く、小規模は一括契約が簡便。
インボイス制度の詳細は、国税庁「インボイス制度特設サイト」で公開されています。
テナント電気代の按分は、中小企業庁「賃貸借契約の公正化ガイドライン」などに配慮して設計する必要があります。
本記事は上記の公的資料・公式サイトを参考に編集しています。最新の制度・数値は各出典元で必ずご確認ください。
このテーマの理解を深めたら、シミュレーターで自社の電気料金リスクを確認しましょう。