高圧単価が総合病院より割高
同じ24時間稼働でも、高圧契約の単価が特別高圧より約3円/kWh高いため、使用量あたりの負担が大きいです。
医療・福祉系 / 中小病院(200床未満)
中小病院は総合病院と同じ24時間稼働の構造を持ちながら、高圧契約で単価が割高になりやすく、経営基盤が脆弱なケースも多い施設です。消費構造、上がりやすい理由、契約と見直しの方向性を整理します。
主な負荷
空調・照明・給湯が中心
大型医療機器よりも、病棟維持や設備効率の差が請求へ出やすい施設です。
単価の特徴
高圧は特別高圧より約3円高い
同じ24時間稼働でも、受電区分の違いが使用量あたりの負担差になりやすいです。
見直しの軸
契約と設備更新を分けない
古い空調や照明を抱えたままでは、単価比較だけで改善しきれないことがあります。
総合病院より医療機器比率は下がる一方で、空調・照明・高圧単価の影響が重くなりやすい構造です。
空調
35〜40%
個別パッケージエアコンの年式差や台数構成が、そのまま効率差につながりやすいです。
照明
30〜35%
病棟や共用部で長時間使用されるため、LED化の遅れが請求へ出やすいです。
給湯関連補機
10〜15%
入院患者の給湯や循環ポンプの負荷が、冬季を中心に積み上がりやすい領域です。
医療機器
10〜15%
大型機器が少ない施設では、総合病院ほど比率が高くならない一方でゼロにはなりません。
200床未満の中小病院は、24時間稼働という基本構造は総合病院と同じです。しかし、MRIやCT等の大型医療機器を持たない病院では医療機器の消費比率が低めで、空調・照明・給湯が消費の主体になります。高圧契約が一般的で、単価は特別高圧の総合病院より割高です。高圧の平均単価は約19.7円/kWhで、特別高圧の約16.9円/kWhと比べて約3円/kWh高くなります。
100床程度の中小病院でも年間電気代は2,000万円以上になるケースがあり、月間300〜500万円の負担は経営上の大きな課題です。
空調が35〜40%、照明が30〜35%、給湯関連の補機が10〜15%、医療機器が10〜15%という構成が典型的です。外来時間帯にピークがあり、夜間は病棟の空調・照明と待機電力がベースロードを構成します。
中小病院では中央空調ではなく個別パッケージエアコンを使用しているケースが多く、機器効率のばらつきが消費を押し上げることがあります。
同じ24時間稼働でも、高圧契約の単価が特別高圧より約3円/kWh高いため、使用量あたりの負担が大きいです。
地域の中小病院は、人口減少や医師不足に直面している施設も多く、電力コスト増がそのまま経営を圧迫します。病床稼働率が低下すると、ベースロードの電力コストは変わらないのに収入が減るため、電力コスト比率が悪化します。
総合病院と比べて資金力が限られるため、空調や照明の設備更新が先送りになりがちです。築20年以上のパッケージエアコンを使い続けている病院も多く、効率の悪い設備が消費を高止まりさせています。
電力コスト増を患者負担に上乗せできない構造は総合病院と同じであり、価格転嫁しにくい中で固定費だけが重くなりやすいです。
1. 24時間の病棟維持
病棟や共用部で夜間も負荷が残り、消費の谷が浅くなりやすい
2. 高圧単価の割高さ
総合病院ほどのスケールメリットが効かず、使用量あたりの単価負担が重くなりやすい
3. 設備更新の遅れ
古い空調や照明が効率を下げ、請求額の高止まりにつながりやすい
4. 収支への圧迫
診療報酬で転嫁しにくく、病床稼働率の変動も重なって固定費感が強まりやすい
中小病院では、まず空調機器の型番・導入年を把握することが出発点です。15年以上前のパッケージエアコンは、最新型と比べて効率が30〜50%劣ることがあります。空調の更新が先か、契約の見直しが先かを判断するためにも、設備情報の把握が重要です。
デマンド値の推移、燃料費調整の影響額、新電力契約の場合の経営状況確認も同様に重要です。請求書だけでなく、設備の年式や運転方法を並べて確認する方が実態に合った判断になりやすいです。
中小病院は消費量がある程度まとまるため、複数社からの見積もり取得は可能です。ただし、病院は電力供給の信頼性が最優先であり、経営基盤が脆弱な新電力は避けるべきです。固定単価型が予算管理の安定性と供給安定性の両面で合いやすいと考えられます。
地域の他の医療機関や福祉施設と連携した電力共同購入も、交渉力を高める選択肢です。
2026年の中東情勢やLNG供給リスクは、中小病院にも影響します。中小病院は経営の余裕が少ないため、電力コスト増のインパクトが総合病院以上に深刻になりえます。
「設備を更新する資金がない」「でも古い設備のままでは電力コストが高止まりする」というジレンマの中で、補助金の活用や段階的な更新計画が現実的です。
中央空調から個別パッケージへの変更、または既存パッケージエアコンの高効率更新が最も効果的です。外来時間帯以外の外来エリアの空調停止も確実に行います。
照明が30〜35%を占めるため、LED化の効果は大きいです。病棟の夜間調光、廊下・階段の人感センサー制御から着手しやすいです。
入院患者の給湯にヒートポンプ式給湯を導入することで、ガス消費と電力消費の両方を最適化できます。
自治体や省エネルギーセンターが提供する省エネ診断サービスを活用し、現状の把握から始めることで、投資効果の高い施策を特定しやすくなります。
中小病院は総合病院と同じ24時間稼働の構造を持ちながら、高圧単価の割高さと経営基盤の脆弱さがコスト負担を重くします。
省エネ診断を活用した現状把握から始め、空調更新・LED化・給湯改善を補助金も活用しながら段階的に進めることが現実的です。
近い施設形態もあわせて見ると、負荷構造や見直しの優先順位の違いを整理しやすくなります。
中小病院では、高圧単価の割高さと設備更新余地を一緒に見ると、契約見直しの優先順位を整理しやすくなります。比較ページやシミュレーターで、自院に近い負荷構造を確認してください。