CASE STUDY / 事例・削減実績
中小製造業(従業員45名)/ 高圧受電
コスト削減のため新電力へ切り替えていた中小製造業が、その新電力の事業撤退により 自動的に最終保障供給へ移行。電気代が従来の約1.6倍に跳ね上がる緊急事態に直面しました。 通知から5ヶ月という短期間で通常契約への復帰を完了し、 電気代を最終保障供給比で月額約38%削減(約163,000円/月)しました。 最終保障供給の実態と、速やかに脱出するための手順を解説します。
| 業種 | 樹脂・プラスチック成形加工 |
| 従業員数 | 約45名 |
| 立地 | 近畿圏(関西電力管内) |
| 受電区分 | 高圧(6,600V) |
| 最終保障供給移行前の電力会社 | 中規模新電力(撤退) |
| 月額電気代(新電力時) | 約270万円 |
| 最終保障供給移行後の月額 | 約433万円(約+60%) |
| 通常契約復帰後の月額 | 約270万円(最終保障比▲38%) |
| 最終保障供給の期間 | 約5ヶ月 |
最終保障供給とは、電力会社が撤退・契約解除などで電気の供給を受けられなくなった需要家に対し、 一般送配電事業者が最終的に電力を供給する制度です。 「セーフティネット」としての制度であり、料金は通常の電力プランより大幅に割高に設定されています。
最終保障供給料金は、通常の電力プランより電力量料金が割高。さらに「最終保障供給加算金」が上乗せされる。
最終保障供給は「当面の電力供給確保」が目的で、通常は最大9ヶ月〜1年程度。その間に新たな契約先を見つける必要がある。
供給する新電力の倒産・撤退、契約違反による強制解除、転居等で引き継ぎが生じた場合など。
最終保障供給に移行したらできるだけ早く新たな電力会社と契約すること。長期間放置するほどコスト超過が積み上がる。
STEP 1
移行後すぐに一般送配電事業者から届いた通知書を精読し、最終保障供給の料金体系(電力量料金の割増・加算金・契約制限)を確認。月額コストが従来比で約60%増加していることを試算。「最大1年程度しか供給されない」制度であることも把握。
STEP 2
複数の新電力・大手電力の営業担当に連絡を取り、現在の状況を説明。最終保障供給から切り替えること自体は特別な手続きは不要で、通常の新規申し込みと同様のプロセスで対応可能であることを確認。3社に同時見積もりを依頼。
STEP 3
3社の見積もりを比較検討。「また突然撤退する可能性が低いか」「燃調費上限設定があるか」「契約期間と違約金条項」を重視。財務基盤が安定している事業者を選定。単価最安ではなく安定性を重視した。
STEP 4
選定した新電力と契約締結後、一般送配電事業者への切り替え申請。最終保障供給からの切り替えは通常の新規切り替えと同様のスケジュール感(申請から切り替えまで約1ヶ月)で完了。移行から5ヶ月目で通常契約に復帰。
| 時期 | 供給形態 | 月額電気代 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 最終保障(1ヶ月目) | 最終保障供給 | 432円 | 移行直後。実態把握中 |
| 最終保障(2ヶ月目) | 最終保障供給 | 445円 | 季節要因で増加 |
| 最終保障(3ヶ月目) | 最終保障供給 | 438円 | 並行して新契約交渉中 |
| 最終保障(4ヶ月目) | 最終保障供給 | 421円 | 切り替え手続き完了間近 |
| 最終保障(5ヶ月目) | 最終保障供給 | 428円 | 切り替え月(按分) |
| 切り替え後(1ヶ月目) | 新電力(通常契約) | 274円 | ▲154,000円(▲36%) |
| 切り替え後(2ヶ月目) | 新電力(通常契約) | 268円 | 安定稼働 |
| 切り替え後(3ヶ月目) | 新電力(通常契約) | 281円 | 季節変動あるも安定 |
| 費目 | 最終保障供給時 | 通常契約復帰後 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 基本料金(月額) | 198,000円 | 124,000円 | ▲74,000円 |
| 電力量料金(月額) | 162,000円 | 108,000円 | ▲54,000円 |
| 燃料費調整額(月額) | 58,000円 | 38,000円 | ▲20,000円 |
| 最終保障供給加算金(月額) | 15,000円 | 0円 | ▲15,000円 |
| 合計(月額) | 433,000円 | 270,000円 | ▲163,000円(▲38%) |
| 合計(年額換算) | 約520万円 | 約324万円 | ▲約196万円 |
通常契約復帰で月額▲約16万円(▲38%)
「最終保障供給に移行したとき、会社の電気が止まるのかと最初は本当に焦りました。 でも制度を理解すれば、次の契約先を探す時間は十分あることがわかりました。 5ヶ月は長かったですが、その間に電力調達について本当に深く学びました。 今は定期的に電力会社の状況を確認するようにしています。 最終保障供給は『緊急避難先』であって、長居する場所ではありません。」
― 総務部 管理担当
最終保障供給は「すぐに新しい電力契約を探してください」というサインです。最終保障供給に入りそうなときの対応手順を確認し、 できるだけ早く複数の電力会社への見積もり依頼を開始してください。 お急ぎの場合はお問い合わせから直接ご相談ください。
※本ページの事例は、複数の実務相談内容をもとに再構成したモデルケースです。数値は業界平均を参考にした概算値であり、実際の削減効果は条件により異なります。
A.①自社と類似業種・規模の事例から打ち手のヒントを得る、②投資判断の参考にする、③社内説明資料の根拠にする、の3用途が代表的です。
A.業種により異なり、製造業で5〜15%、商業施設で7〜20%、オフィスビルで10〜25%が一般的な削減レンジです。設備更新と運用改善の組合せで最大化します。
A.①規模・業種が似ているか、②削減手法が再現可能か、③前提条件(契約・地域・補助金)が近いか、④投資回収期間が現実的か、の4点を確認します。
A.「単価のみで切替→市場連動で大失敗」「準備不足での切替→空白期間発生」「過大な投資→回収困難」など、典型的失敗パターンを把握することが重要です。
A.業界団体の事例集、補助金事業の成果報告、コンサルティング会社の公開資料、本サイトの事例DBで入手可能。3〜5事例の比較が判断精度を高めます。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
最終保障供給に移行している、または移行しそうな場合は早急な対処が必要です。まずシミュレーターで現状を確認し、必要に応じてご相談ください。
記事を読んで気になった点があれば、エネルギー情報センターにお気軽にご相談ください。法人・自治体の電力契約に精通したスタッフが、中立的な立場で判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。