CASE STUDY / 事例・削減実績
製造業B社(従業員120名)/ 高圧受電
新電力から「電力量料金を28%値上げ、燃料費調整額の上限を撤廃」という通知を突然受け取った製造業B社の事例です。 通知から22日間という短期間で、交渉と代替調達の同時並行という戦略を実施。 値上げ幅を28%から13%へ15%圧縮することに成功し、燃調費上限の一部継続も勝ち取りました。 値上げ通知を受けた際の具体的な対処手順を詳しく解説します。
| 業種 | 機械部品製造 |
| 従業員数 | 約120名 |
| 立地 | 中部圏(中部電力管内) |
| 受電区分 | 高圧(6,600V) |
| 現契約 | 新電力(切り替えから2年目) |
| 月額電気代(見直し前) | 約220万円 |
| 値上げ通知内容 | 電力量料金+28%・燃調費上限撤廃 |
| 値上げ後の月額(通知どおり) | 約281万円(+61万円/月) |
| 交渉後の月額 | 約236万円(+16万円/月) |
| 時期 | 出来事 | 対処・アクション |
|---|---|---|
| Day 1 | 新電力から値上げ通知書が届く(電力量料金+28%、燃調費上限撤廃) | 通知内容を精査し、経営・財務への影響額を試算 |
| Day 3 | 社内で緊急対策会議を開催 | 「交渉」と「代替調達探索」を同時並行で進める方針を決定 |
| Day 5 | 現契約の電力会社に交渉アポイント取得 | 交渉担当者を1名に絞り、代替先の見積もりも同時依頼 |
| Day 10 | 代替新電力2社・大手電力の見積もりを受領 | 現契約電力に「他社見積もり」を提示しながら交渉開始 |
| Day 18 | 現契約電力との交渉決着 | 当初の+28%から+13%への圧縮に成功。燃調費上限も一部設定を継続 |
| Day 22 | 最終的な契約更新 | 交渉結果を文書化し、次回更新時の条件も事前合意 |
| 項目 | 金額・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 通知された値上げ後の電力量料金(月額) | 1,536,000円 | 現行1,200,000円に+28% |
| 交渉後の電力量料金(月額) | 1,356,000円 | 現行に+13%(+156,000円) |
| 交渉による圧縮額(月額) | ▲180,000円 | 値上げ通知比▲15%の圧縮 |
| 交渉による圧縮額(年額) | ▲2,160,000円 | 値上げ幅を年間216万円抑制 |
| 燃調費上限設定の継続 | リスク軽減 | 上限撤廃を阻止。年間リスク額を最大500万円抑制 |
交渉による圧縮効果:月額▲180,000円 / 年間▲216万円
各交渉ステップの内容と達成した結果のまとめ
| 交渉ステップ | 内容 | 結果 |
|---|---|---|
| STEP 1 通知精査 | 値上げ通知書の内容を確認し、電力量料金+28%・燃調費上限撤廃の財務影響を試算 | 年間+730万円相当のコスト増と判明。早急な対応が必要と認識。 |
| STEP 2 代替調達探索 | 新電力2社・大手電力に同一条件で見積依頼。交渉の「逃げ道」を確保。 | 切替可能な代替先が存在することを確認。交渉の根拠が整った。 |
| STEP 3 値上げ根拠追及 | 現契約電力に「+28%の根拠データを開示してほしい」と文書で要求 | 根拠の一部が曖昧であることが判明し、交渉の余地が生まれた。 |
| STEP 4 他社見積提示 | 他社見積もりを提示し「この条件で折り合えなければ切り替える」と期限を提示 | 相手の意思決定が迅速化。条件改善の提案が届くようになった。 |
| STEP 5 最終合意 | 値上げ幅を+28%から+13%へ圧縮・燃調費上限の一部継続を文書で合意 | 年間▲216万円の圧縮を達成。燃調費リスクも上限設定により軽減。 |
代替事業者の見積もりを取得し、現契約電力に提示することで「切り替えもあり得る」という選択肢を示した。交渉力の源泉となった。
「〇月〇日までに回答がなければ他社に切り替える」と期限を明示することで、相手の意思決定を迅速化した。
「なぜ+28%なのか、燃料費・調達コストのデータを開示してほしい」と根拠を求めた。根拠が曖昧な部分が圧縮の余地になった。
「最初は+28%の値上げを受け入れるしかないと思っていました。 でも他社見積もりを取ってみると、切り替え可能な選択肢があることがわかりました。 そこから一気に交渉が進みました。 年間216万円の圧縮は大きいですが、燃調費上限を守れたことが長期的にはもっと重要かもしれません。」
― 総務部 電力契約担当
値上げ通知は「交渉の開始」です。まず代替となる電力会社の見積もりを取ることが最初のステップです。 選択肢があることがわかれば、交渉はより有利に進められます。見直しのタイミングも合わせてご確認ください。
※本ページの事例は、複数の実務相談内容をもとに再構成したモデルケースです。数値は業界平均を参考にした概算値であり、実際の削減効果は条件により異なります。
A.①自社と類似業種・規模の事例から打ち手のヒントを得る、②投資判断の参考にする、③社内説明資料の根拠にする、の3用途が代表的です。
A.業種により異なり、製造業で5〜15%、商業施設で7〜20%、オフィスビルで10〜25%が一般的な削減レンジです。設備更新と運用改善の組合せで最大化します。
A.①規模・業種が似ているか、②削減手法が再現可能か、③前提条件(契約・地域・補助金)が近いか、④投資回収期間が現実的か、の4点を確認します。
A.「単価のみで切替→市場連動で大失敗」「準備不足での切替→空白期間発生」「過大な投資→回収困難」など、典型的失敗パターンを把握することが重要です。
A.業界団体の事例集、補助金事業の成果報告、コンサルティング会社の公開資料、本サイトの事例DBで入手可能。3〜5事例の比較が判断精度を高めます。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
シミュレーターで現在の電気代リスクを確認し、代替調達の相談につなげましょう。
記事を読んで気になった点があれば、エネルギー情報センターにお気軽にご相談ください。法人・自治体の電力契約に精通したスタッフが、中立的な立場で判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。