CDP質問書で問われる電力関連項目(Scope2排出量・再エネ調達・追加性・トラッキング)の回答設計と推奨エビデンスを整理します。
CDP(旧:Carbon Disclosure Project)は、気候変動・森林・水に関する企業開示を評価する国際NGOです。CDP気候変動質問書は、グローバル機関投資家のエンゲージメントツールとして位置づけられ、日本企業も2,000社以上が回答しています。
2024年以降の質問書ではScope2排出量の算定方法、再エネ調達手段、追加性(Additionality)の確認が強化され、数字の提出だけでなく調達戦略の開示が重視されています。
主要項目は、①Scope2排出量(ロケーション基準・マーケット基準の両方)、②再エネ電力の調達量と手段(PPA・自家発電・証書)、③再エネ100%達成目標年、④証書のトラッキング情報、⑤追加性評価の5つです。
マーケット基準では、トラッキング付き非化石証書、J-クレジット、グリーン電力証書、PPA由来の再エネ電力が反映できます。各々の購入根拠を開示することで、評価スコアが向上します。
CDPスコア(A〜D-)を上げるには、①Scope2算定の透明性、②数値目標と進捗、③第三者保証、④マネジメント層の関与、が鍵です。初回回答はC〜D評価が多く、数年かけてB・Aを目指す企業が一般的です。
回答根拠となる計算シート、契約書、証書データは内部で整理・保管し、翌年度の回答効率化と第三者検証に備えます。
CDP質問書は毎年4月に公開、7月末が回答期限です。準備期間は通常3〜6ヶ月、初回回答の場合は1年以上前から着手するケースもあります。
推奨スケジュール:①前年11月〜12月:前年回答のレビューと改善項目抽出、②1月〜3月:データ収集・算定・社内承認、③4月〜6月:質問書への回答入力、④7月:最終確認・提出。
効率化のポイントは、環境データ管理システム(Enablon・Salesforce Sustainability Cloud等)の導入と、各拠点との連携ルール整備です。
CDP質問書はGHGプロトコルScope2ガイダンスに準拠しており、同プロトコルで定められたロケーション基準・マーケット基準の算定ルールを理解しておくことが前提となります。
SBT認定企業は、CDP質問書での優遇スコアが与えられるため、両方への対応を統合的に進めるのが効率的です。TCFD推奨情報の開示との連携も重要です。
本記事は上記の公的資料・公式サイトを参考に編集しています。最新の制度・数値は各出典元で必ずご確認ください。
このテーマの理解を深めたら、シミュレーターで自社の電気料金リスクを確認しましょう。