「固定プランなのに請求額が増えた」という疑問は、法人の契約見直しでよく出てくる論点です。固定されているのは契約単価の一部であり、 請求全体ではない場合があるため、固定と変動の境界を分けて理解することが重要です。
固定プランは、主に電力量料金単価などの見通しを持ちやすくする契約です。一方、燃料費調整額や再エネ賦課金が別建てで反映される場合、 月ごとの請求額は変動します。固定という名称だけで「請求が完全固定」と理解すると、比較判断を誤りやすくなります。
燃料費調整額は、発電用燃料価格の変動を電気料金に反映する仕組みです。固定プランでも、この項目が契約単価と別に設定されていれば、 月ごとに増減し得ます。特に使用量が多い法人や複数拠点を持つ企業では、影響額が大きくなりやすいため注意が必要です。
比較時は、単価比較に加えて契約条件・調整項目を並べることが重要です。具体的な観点は 市場連動と固定の比較ページでも確認できます。
固定プランは変動要素をゼロにする契約ではなく、変動の中心を抑える契約です。この整理で説明すると、予算管理部門や現場担当への説明が通りやすくなります。 さらに、電気料金が上がる背景を 上昇要因の解説と合わせると、短期変動と契約条件を分けて共有しやすくなります。
| 請求項目 | 固定/変動 | 単価目安 | 月額目安 | 変動幅 |
|---|---|---|---|---|
| 基本料金 | 固定 | 1,800円/kW | 約18万円 | なし |
| 電力量料金 | 固定 | 16円/kWh | 約80万円 | なし |
| 燃料費調整額 | 変動 | ▲2〜+5円/kWh | ▲10〜+25万円 | 月35万円幅 |
| 再エネ賦課金 | 年度変動 | 3.49円/kWh(2025年度) | 約17.5万円 | 年度改定あり |
| 合計 | ― | ― | 約105〜140万円 | 固定項目98万円+変動項目 |
「固定プラン」でも請求額は月約35万円の変動幅を持ちます。 これは燃料費調整額が別建てのためで、固定されているのは電力量料金単価だけである点に注意が必要です。
固定プランでも、燃料費調整額が別建てで反映されるなら請求額は動きます。固定される項目と変動する項目を分けて読み、見積比較と社内説明の前提をそろえることが、 実務上の判断精度を高めるポイントです。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
はい。固定プランは契約単価(電力量料金の単価)が固定されますが、燃料費調整額は固定プランでも毎月変動します。燃料費調整額は契約単価とは別に発生するため、固定プランでも請求額が変わることがあります。
電力会社や契約内容によって、燃料費調整額に上限を設けている場合があります。見積比較の際は燃料費調整額の計算方式と上限設定の有無を確認することが重要です。
見積書や契約書で燃料費調整額の計算基準・参照指標・上限設定の有無を確認します。複数社の見積を比較する際は燃料費調整額の扱いを統一した条件で比較することが正確な比較につながります。
著者: 江田健二(一般社団法人エネルギー情報センター 代表理事)
公開日: 2026-03-27
固定契約の見方を、燃調費と契約タイプ比較へつなげるページです。
固定契約の前提を整理したら、現在契約と候補条件を同じ見方で比較し、請求変動の説明可能性まで確認しましょう。
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中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。