非化石証書の3分類と購入手段を整理し、トラッキング情報の扱いやScope2反映の実務を解説します。
非化石証書は、非化石電源(再エネ・原子力)で発電された電力の「環境価値」を切り離して取引できるようにしたものです。2018年に創設され、日本卸電力取引所(JEPX)の非化石価値取引市場で売買されます。
発行単位は1kWh単位、取引は小売電気事業者と需要家が市場を通じて行います。需要家直接取引は、制度上は2021年以降の需要家公募枠のみで、通常は小売電気事業者経由で購入します。
①FIT非化石証書:FIT電源由来。再エネ指定ありで、価格は最低0.3円/kWh、取引量は最大規模。②非FIT非化石証書(再エネ指定あり):卒FIT太陽光・大規模水力などが由来。③非FIT非化石証書(再エネ指定なし):原子力も含む。
RE100や再エネ調達を明示したい場合は再エネ指定ありの証書が必要です。単に非化石比率を上げるだけなら指定なしで十分です。
証書はマーケット基準のScope2算定で使えますが、トラッキング情報付きである必要があります。FIT非化石証書は2021年度からトラッキング対応され、発電所・電源種別が明記されます。
購入コストは、FIT非化石(再エネ指定)で0.3〜1.3円/kWh、非FIT再エネ指定でそれ以上の水準で推移しており、制度改正や需給で変動します。
法人需要家が非化石証書を購入する主な経路は、①小売電気事業者経由(再エネメニュー契約)、②需要家公募枠での直接購入(JEPX開催の年4回入札)、の2つです。
価格推移:FIT非化石(再エネ指定)は2021年度0.3円/kWhの下限設定、2022年度以降も同水準。非FIT非化石は入札結果で変動、最近は1〜3円/kWhのレンジで取引されています。
追加性(Additionality)を重視する企業はFIT非化石より非FIT非化石を選好する傾向があります。
非化石価値取引市場の運営はJEPX、制度設計は経済産業省(資源エネルギー庁)が担当しています。毎年度のオークション結果・取引量は経産省・JEPXの公式サイトで確認できます。
CDP回答やRE100報告では、証書購入根拠として「トラッキング情報付きの証書」であることが要求されるため、購入時に必ず確認します。
本記事は上記の公的資料・公式サイトを参考に編集しています。最新の制度・数値は各出典元で必ずご確認ください。
このテーマの理解を深めたら、シミュレーターで自社の電気料金リスクを確認しましょう。