SBT認定の要件と、電力調達に関わる目標設定・ロードマップ策定の実務を整理します。
SBT(Science Based Targets initiative)は、パリ協定の1.5℃目標と整合する温室効果ガス削減目標を認定する国際イニシアチブで、CDP・WWF・UNGC・WRIの4団体が運営しています。2024年までに世界5,000社以上、日本企業は600社超が認定を取得しています。
認定には、Scope1・Scope2・Scope3の排出削減目標を設定し、審査を経る必要があります。2034年以降は全企業に対し1.5℃目標整合が義務化される見込みです。
Scope2の削減は電力調達に直結します。主要な打ち手は、①省エネによる絶対排出量削減、②再エネ電力への切替、の2つです。再エネ100%を目指すなら、5〜15年でのロードマップを描きます。
短期(3年)は非化石証書付きメニューで初期達成、中期(5〜10年)はPPA契約で価格安定化、長期(10年以上)は自家発電比率を高めるのが典型的なパターンです。
SBT申請費は規模により数百万円、認定取得後の進捗管理・開示コストも毎年発生します。一方で、取引先からのサステナビリティ評価、ESG投資流入、採用ブランディングなど、経営的ベネフィットは定量化が難しいものの大きいと言われます。
中小企業向けに簡易なSBT(SME Route)も用意されており、大企業に比べて申請要件が緩和されています。
典型的なロードマップ:年度0(基準年)→年度3(Scope2の20%削減、非化石証書活用)→年度5(50%再エネ化、PPA契約で長期ヘッジ)→年度10(80%再エネ化、自家発電20%)→年度15(100%再エネ)。
Scope3(サプライチェーン排出量)の削減は、サプライヤーとの協議が必要で、Scope2より時間がかかります。バリューチェーン全体のSBT目標設定(FLAG Guidance適用)も段階的に広がっています。
SBT認定の審査基準はSBTi公式の「SBTi Corporate Net-Zero Standard」で定められており、削減率・対象範囲・再エネ調達要件が詳細に規定されています。
環境省「脱炭素経営ガイドブック」や、経産省のGXリーグ参加企業向けガイドラインも、SBT取得時の実務指針として参照されることが多いです。
本記事は上記の公的資料・公式サイトを参考に編集しています。最新の制度・数値は各出典元で必ずご確認ください。
このテーマの理解を深めたら、シミュレーターで自社の電気料金リスクを確認しましょう。