料金が上がる理由を知る
2024年4月に始まった容量拠出金は、kWhあたり約0.5円から2026年度には約1.1円まで上昇する見込みです。 月1万kWhの小規模オフィスでも月+6,000円、月10万kWhの中規模工場では月+6万円規模の負担増となり、 使用量が多い法人ほど電気代への影響が大きくなります。
このページでは、月額の影響額を使用量別に試算し、 固定プランと市場連動プランでの扱いの違い、見積比較での確認ポイントまで実務目線で整理します。
容量拠出金は、将来の電力供給力(発電所)を確保するための容量市場制度に基づき、小売電気事業者がOCCTO(電力広域的運営推進機関)へ支払う費用です。 支払った費用は電気料金を通じて需要家に転嫁されるため、法人の電気代に直接反映されます。
2024年度から実際の転嫁が始まり、容量市場の約定価格の上昇に伴って年度を追うごとに負担は増加しています。 仕組みの詳細は容量拠出金とは|仕組み・負担額・電気料金への影響で整理しています。
2024年度
約0.5円/kWh
2025年度
約0.8円/kWh
2026年度
約1.1円/kWh
※ 影響額は容量市場の約定結果(OCCTO公表)および各送配電事業者の公表データに基づく試算値です。 実際の影響額は契約条件・使用パターン・小売電気事業者の転嫁方針により異なります。
容量拠出金の月額影響は 「kWhあたり転嫁単価 × 月間使用量」で概算できます。 2024年度(0.5円/kWh)と2026年度(1.1円/kWh)の差分は +0.6円/kWh となり、 月1万kWhで月+6,000円、月10万kWhで月+6万円の負担増に相当します。
| 使用量(月間) | 2024年度(0.5円/kWh) | 2025年度(0.8円/kWh) | 2026年度(1.1円/kWh) | 2024→2026 差分 | 年間差分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 月 1万 kWh(小規模オフィス・店舗) | 約 5,000円 | 約 8,000円 | 約 11,000円 | +6,000円/月 | +7.2万円/年 |
| 月 5万 kWh(中規模オフィス・工場) | 約 25,000円 | 約 40,000円 | 約 55,000円 | +30,000円/月 | +36万円/年 |
| 月 10万 kWh(大規模工場・施設) | 約 50,000円 | 約 80,000円 | 約 110,000円 | +60,000円/月 | +72万円/年 |
※ 計算根拠:月額影響 = kWhあたり転嫁単価 × 月間使用量。2024年度 0.5円/kWh、2025年度 0.8円/kWh、2026年度 1.1円/kWh で試算(いずれも小売電気事業者への転嫁単価の概算値)。年間差分は月間差分 × 12ヶ月。
特別高圧など年間数百万kWh級の需要家では、契約区分別の年間影響額がさらに大きくなります。高圧〜特別高圧の契約区分別の試算は別ページで詳しく整理しています。
容量拠出金は、契約プランのタイプによって請求書への現れ方が異なります。市場連動プランと固定プランのどちらを選んでいるかで、見積比較のポイントも変わります。
| 観点 | 固定プラン | 市場連動プラン |
|---|---|---|
| 容量拠出金の見え方 | 単価(電力量料金)に内包される | 別建ての項目として請求されるケースが多い |
| 反映タイミング | 契約更新時に単価へ織り込まれる | 年度ごとに単価が改定される |
| 見積比較での注意点 | 「容量拠出金込みか」を見積書で要確認 | 「容量拠出金」「容量市場費用」の項目名・単価を確認 |
| 負担増の把握しやすさ | 見えにくいが単価に隠れる | 明細で把握しやすい |
固定プランでは容量拠出金が単価に含まれて見えにくいため、次回契約更新時に想定以上の単価上昇として現れやすい点に注意が必要です。 市場連動プランでは別建て明細で把握しやすい一方、 年度ごとに単価が改定される前提で予算を置いておく必要があります。
複数社の見積を比較する際は、単価だけでなく容量拠出金の扱いもそろえて確認する必要があります。 以下の4点を最低限チェックしましょう。
項目として別建てになっているか、単価に含まれているかを確認します。別建ての場合は2024年度約0.5円/kWh→2026年度約1.1円/kWhの範囲で妥当かを見ます。
固定プランで容量拠出金が内包される場合、次回更新時の単価上昇に反映されるため、次期見積での変化幅を事前に質問しておきます。
約定価格は毎年変動するため、単年度だけでなく2026→2027年度にかけての上振れ幅もシナリオとして織り込みます。
制度要因の合計(再エネ賦課金+容量拠出金+燃調費)で見ることで、料金の「構造的な上昇分」と「燃料相場による変動分」を切り分けて社内説明できます。
実務の手順としては、容量拠出金を踏まえて法人が確認したいこともあわせて参照すると、見積書・契約書での確認項目を漏れなく押さえられます。
自社の契約区分・使用量を入力すると、容量拠出金を含む制度要因による上昇リスクをシミュレーションできます。