CASE STUDY / 事例・削減実績
賃貸オフィスビル(地上13階・テナント12社)/ 特別高圧受電
築18年・地上13階の賃貸オフィスビルが、テナント入れ替えに伴う電力需要の変化を見直さないまま高い契約電力を維持していた問題を発見。 過去2年分のデマンドデータを精査し、実態に即した契約電力1,200kW→900kWへの引き下げを実施。 基本料金を中心に年間約580万円(16%)の削減を達成しました。
| 建物用途 | 賃貸オフィスビル |
| 規模 | 地上13階・地下1階(延床面積約18,500m²) |
| 築年数 | 18年 |
| テナント数 | 12社 |
| 立地 | 首都圏郊外(駅前立地) |
| 受電区分 | 特別高圧(22kV) |
| 契約電力(見直し前) | 1,200kW |
| 契約電力(見直し後) | 900kW |
| 年間使用電力量 | 約4,200,000kWh |
| 見直し前の年間電気代 | 約3,700万円 |
| フロア | 用途 | 推定ピーク | 備考 |
|---|---|---|---|
| B1〜1F | 共用部・駐車場・機械室 | 180kW | 空調・エレベーター・照明 |
| 2〜4F | 中小テナントオフィス | 220kW | PC・空調・OA機器 |
| 5〜8F | コールセンター(主要テナント) | 280kW | 24時間稼働・大型空調 |
| 9〜12F | 一般オフィステナント | 150kW | 日中のみ稼働 |
| 13F | 会議室・共用スペース | 45kW | 利用時間が限定的 |
| 屋上 | 空調室外機・設備機器 | 95kW | 夏季ピーク大 |
| 合計(同時稼働係数0.85適用後) | 約820kW | ||
実際の最大デマンド実績は876kW(過去2年間の最大値)。契約電力900kWは十分な余裕を確保。
STEP 1
電力会社の明細書(30分単位のデマンドデータ)を取得し、月別最大デマンドを整理。実績最大値は876kW(夏季)であることを確認。年間を通じて契約電力1,200kWを超えた月はゼロ。
STEP 2
フロアごとの推定ピーク電力を積み上げ計算。同時稼働係数を考慮した最大需要電力は約820kW。将来的なテナント入れ替えリスクを考慮し、20%の余裕を見て契約電力を900kWに設定。
STEP 3
電力会社に対してデマンドデータと需要計算根拠を提示し、契約電力の引き下げを申請。変更時期を電力需要の低い春季に設定し、リスクを最小化。
| 項目 | 見直し前 | 見直し後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 契約電力 | 1,200kW | 900kW | ▲300kW(▲25%) |
| 基本料金(月額) | 2,544,000円 | 1,908,000円 | ▲636,000円 |
| 電力量料金(月額) | 1,840,000円 | 1,780,000円 | ▲60,000円 |
| 燃料費調整額(月額) | 580,000円 | 560,000円 | ▲20,000円 |
| 合計(月額) | 4,964,000円 | 4,248,000円 | ▲716,000円 |
| 合計(年額) | 約3,700万円 | 約3,120万円 | ▲約580万円 |
主要な契約条件の変更内容と差額の一覧
| 項目 | 見直し前 | 見直し後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 契約電力 | 1,200kW | 900kW | ▲300kW(▲25%) |
| 基本料金(月額) | 2,544,000円 | 1,908,000円 | ▲636,000円 |
| 電力量料金(月額) | 1,840,000円 | 1,780,000円 | ▲60,000円 |
| 燃料費調整額(月額) | 580,000円 | 560,000円 | ▲20,000円 |
| デマンド管理レビュー | なし(放置) | 2〜3年ごとに実施 | 継続効果 |
| 合計(年額) | 約3,700万円 | 約3,120万円 | ▲約580万円 |
「設備を何も変えなくても、契約変更だけでこれだけ削減できるとは正直驚きました。 コストをかけず、手続きだけで年間580万円の削減は非常に大きいです。 今後はテナント変更のたびに需要調査を実施するルールにしました。 ビル管理においてデマンドの定期点検は必須だと感じています。」
― 不動産管理部 ビル管理担当
テナント構成が変わった、増減床があった、契約電力を長年変更していない、という場合は契約電力の見直し余地がある可能性があります。デマンドと契約電力の仕組みを確認の上、 過去2年分の最大デマンド実績と現在の契約電力を比較してみてください。
※本ページの事例は、複数の実務相談内容をもとに再構成したモデルケースです。数値は業界平均を参考にした概算値であり、実際の削減効果は条件により異なります。
A.①自社と類似業種・規模の事例から打ち手のヒントを得る、②投資判断の参考にする、③社内説明資料の根拠にする、の3用途が代表的です。
A.業種により異なり、製造業で5〜15%、商業施設で7〜20%、オフィスビルで10〜25%が一般的な削減レンジです。設備更新と運用改善の組合せで最大化します。
A.①規模・業種が似ているか、②削減手法が再現可能か、③前提条件(契約・地域・補助金)が近いか、④投資回収期間が現実的か、の4点を確認します。
A.「単価のみで切替→市場連動で大失敗」「準備不足での切替→空白期間発生」「過大な投資→回収困難」など、典型的失敗パターンを把握することが重要です。
A.業界団体の事例集、補助金事業の成果報告、コンサルティング会社の公開資料、本サイトの事例DBで入手可能。3〜5事例の比較が判断精度を高めます。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
シミュレーターで現在の契約状況のリスクを確認。契約電力の過大設定がないか診断できます。
記事を読んで気になった点があれば、エネルギー情報センターにお気軽にご相談ください。法人・自治体の電力契約に精通したスタッフが、中立的な立場で判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。