電力の相見積もりを取った際、「A社の方が単価が安い」という理由だけで選ぶと、実際の年間コストで見るとB社の方が安かった、というケースは珍しくありません。燃料費調整額・容量拠出金・市場価格調整額などの変動費は、見積書の単価部分には現れていないことがあります。
このページでは、単価比較の落とし穴と、総額で正確に比較するためのチェックポイントを整理します。
このページでわかること
電気料金の請求書や見積書に記載される単価は、電力量料金(基本的な電力量単価)であることが多く、以下の費用を含んでいない場合があります。
電力量単価が安くても、これらの追加費用が高ければ実際の年間総コストは高くなります。
各社の見積が同じ使用量・契約電力を前提としているか
見積の対象期間(月・年)が揃っているか
契約期間(1年・2年・3年)が揃っているか、または期間ごとに分けて比較しているか
高圧・特別高圧など電圧区分の前提が正しいか
燃料費調整額が見積に含まれているか、また上限の有無を確認したか
市場価格調整額(JEPX連動要素)が含まれているか確認したか
容量拠出金が見積に含まれているか確認したか
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)の扱いを確認したか
基本料金の計算基準(最大需要電力か契約電力か)を確認したか
時間帯別料金(昼間・夜間・深夜)がある場合は自社の使用パターンと照合したか
力率割引・割増の適用可否を確認したか
最低使用量条項(最低料金)がある場合は通常の使用量と比較したか
切替に伴う工事費用・手数料が発生するか確認したか
中途解約条項(違約金・予告期間)を確認したか
自動更新条項の有無と申出期限を確認したか
請求書の発行方法・支払い方法・振込手数料の負担を確認したか
各社の見積を総額で比較するには、以下のステップで試算します。
ステップ1:使用量前提を揃える
自社の直近12か月の月別使用量・最大需要電力を基に、各社の見積を同じ前提で計算できるか確認する。前提が揃っていない見積は修正を依頼する。
ステップ2:全費用を列挙する
基本料金・電力量料金・燃料費調整額・容量拠出金・市場価格調整額・再エネ賦課金のそれぞれを月別に列挙し、年間合計を計算する。
ステップ3:変動費はシナリオで確認する
燃料費調整額や市場価格調整額は将来変動するため、「現状維持」「10%上昇」「20%上昇」などのシナリオで各社のコスト差を確認する。
ステップ4:比較表にまとめる
各社の年間総額(現状水準)、上振れシナリオの年間総額、契約条件(期間・解約条項)を一覧にした比較表を作成する。この表を社内説明に使う。
年間総額の比較だけでなく、以下のリスク面も考慮して総合判断します。
コスト面とリスク面を合わせた比較のために、シミュレーターを活用して上振れシナリオの年間コスト幅を試算することをお勧めします。
A.契約満了の3〜6ヶ月前が理想です。現契約の解約通知期限を過ぎると自動更新で見直し機会を失うため、満了時期の1年前からモニタリング開始することを推奨します。
A.①単価、②契約期間、③違約金条項、④燃料費調整の仕組み、⑤市場価格調整の有無、⑥更新通知期限、⑦値上げ通知時の解約権、の7項目です。単価比較だけでは不十分。
A.一概に決まりません。新電力は単価で有利なケースが多い一方、供給安定性・サポート体制は大手が優勢。2022〜2023年の新電力撤退リスクを教訓に、事業継続性も評価軸に含めるべきです。
A.①スケールメリットで単価交渉力向上、②契約管理工数の集約、③データ統合によるエネマネ高度化、④グループCO2削減戦略の統一、が得られます。年間5億円規模で年数千万円の削減も。
A.①見積条件(契約電力・使用kWh想定)を統一、②全費用項目を含む総額比較、③契約期間の統一、④違約金条項の差を見落とさない、⑤長期のシナリオ試算を加える、の5点に注意します。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
各社の見積条件でシミュレーションを行い、上振れシナリオを含めた年間コスト比較を数値で確認してください。
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中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。