BENCHMARK / 相場・削減効果
基本料金を下げる仕組みと数値で見る効果
電気代の基本料金は「契約電力(kW)」に単価を掛けたものです。そして契約電力は「過去12か月の最大デマンド値」によって決まります。 つまり、月に1回でもデマンド値が高くなれば、その後1年間の基本料金がその高い値に固定されます。 デマンドコントロールとは、この最大デマンド値を抑制して基本料金を下げる取り組みです。
デマンド(kW)とは、30分間の平均電力使用量です。1か月の中で最も高かった30分のデマンド値が「最大デマンド」となり、 この値が翌12か月の「契約電力」として基本料金の算定基準になります。
例:契約電力300kW、基本料金単価1,200円/kWの事業者の場合
デマンド10〜15%削減、基本料金単価1,200〜1,500円/kWとして試算
| 現在の契約電力 | 削減期待値 | 月額削減額 | 年間削減額 | 投資回収目安 |
|---|---|---|---|---|
| 50kW | 5〜8kW | 6,000〜1.2万円 | 7.2〜14.4万円 | 2〜4年 |
| 100kW | 10〜15kW | 1.2〜2.2万円 | 14.4〜26.4万円 | 2〜3年 |
| 200kW | 20〜30kW | 2.4〜4.5万円 | 28.8〜54万円 | 1〜3年 |
| 300kW | 30〜45kW | 3.6〜6.75万円 | 43.2〜81万円 | 1〜2年 |
| 500kW | 50〜75kW | 6〜11.25万円 | 72〜135万円 | 1〜2年 |
| 1,000kW | 100〜150kW | 12〜22.5万円 | 144〜270万円 | 1年未満〜2年 |
| 2,000kW | 200〜300kW | 24〜45万円 | 288〜540万円 | 1年未満 |
※デマンドコントローラーの導入費用を20〜100万円として投資回収を試算。基本料金単価は電力会社・プランにより異なります。
電力使用量をリアルタイム監視し、デマンド警報が出ると自動で優先度の低い設備(空調・照明など)をOFF
デマンド警報を担当者が受信し、手動で設備をオフ。コントローラー不要だがレスポンスが遅い。
大電力設備の起動タイミングを分散させ、30分デマンドのピークを抑制する運用管理
深夜電力で充電した電池を昼間ピーク時に放電することでデマンドを抑制
ピーク時に自家発電を使用することで、系統からの電力購入量(デマンド)を抑制
Q: デマンドコントローラーを導入するとどんな設備が制御されますか?
A: 一般的には優先度の低い設備(一部の空調・照明・給湯器など)が対象になります。生産ラインや医療設備などの重要設備は制御対象から除外できます。
Q: 導入したらすぐに基本料金が下がりますか?
A: デマンドコントローラーで新たな最大デマンドを記録した月から翌12か月に適用されます。最短で翌月から効果が出ますが、前の高いデマンドが消えるのに最大12か月かかります。
Q: デマンドコントローラーの費用はどのくらいですか?
A: 機能・規模によって異なりますが、中小規模の設備(〜200kW)であれば20〜50万円、大規模・多拠点対応では100万円以上になることもあります。
Q: 設備を制御されて業務に影響は出ませんか?
A: デマンド警報時間は30分のうち数分程度の制御が多く、空調であれば体感できない場合がほとんどです。制御対象・制御時間・制御頻度は設定でカスタマイズできます。
※本ページの削減効果は業界平均を参考にした概算値です。実際の削減効果は設備構成・操業パターン・季節変動によって異なります。正確な効果試算は専門業者にご相談ください。
本ページの削減効果データは以下を参考にしています。
重要: 本ページの数値は上記データをもとにした概算・目安であり、 特定の契約条件や時期における正確な削減額を保証するものではありません。 実際の削減効果は設備状況・使用パターン・建物特性により大きく異なります。 最終的な判断には、必ず専門業者の診断や見積もりをご確認ください。
最終更新: 2026年4月(2024〜2025年度の施策実績を反映)
東京エリアのFY2016〜2023の実績データから、負荷率(平均需要÷ピーク需要)の推移を確認します。
| 年度 | 平均需要(MW) | ピーク(MW) | 負荷率(東京) |
|---|---|---|---|
| FY2016 | 100,921 | 154,720 | 61% |
| FY2017 | 102,003 | 154,920 | 61% |
| FY2018 | 101,643 | 163,390 | 58% |
| FY2019 | 99,233 | 163,540 | 58% |
| FY2020 | 98,108 | 164,910 | 57% |
| FY2021 | 100,150 | 163,260 | 57% |
| FY2022 | 98,444 | 164,890 | 54% |
| FY2023 | 97,286 | 159,630 | 58% |
東京エリア 負荷率の推移
投資価値の高まり: 負荷率の低下は「ピークが尖鋭化」していることを意味します。平均は下がっているのにピークは下がらない(むしろ上がっている)。この構造では、デマンド制御による基本料金削減の投資対効果が年々高まっています。
※出典: 電力広域的運営推進機関(OCCTO)公表データ(FY2016〜2023)を集計。
A.業種別・契約区分別のベンチマークと比較します。本サイトの相場データや経産省統計、コンサル会社の調査レポートが参考になります。
A.高圧で18〜25円/kWh、特別高圧で15〜22円/kWh、低圧で25〜35円/kWhが2026年時点の一般的レンジ。業種・地域・契約条件で変動します。
A.①契約区分の一致、②地域差の考慮、③時期(年度)の同期、④業種特性、⑤契約電力規模、の5項目を統一しないと正確な比較ができません。
A.電力多消費業種(製造・データセンター)で10〜20%、サービス業で5〜15%、自治体で7〜20%が削減事例の平均レンジです。
A.本サイトでは月次・四半期で更新。市場価格・燃料費・制度改正の影響を反映するため、3ヶ月以内のデータを参照することを推奨します。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
当法人は法人向け電気料金の高騰リスク分析・脱炭素対応支援を行う非営利法人です。本記事は公的データ(経済産業省・OCCTO・JEPX・環境省等)と実務知見を基に編集しています。
この記事の著者: 江田 健二(一般社団法人エネルギー情報センター 理事 / RAUL株式会社 代表取締役)— 電力・エネルギー業界20年以上、書籍20冊以上執筆、内閣府・中小企業庁・商工会議所登壇多数プロフィール →
現在の契約電力・月間使用量を入力して、基本料金の削減余地とリスクをシミュレーションできます。
記事を読んで気になった点があれば、エネルギー情報センターにお気軽にご相談ください。法人・自治体の電力契約に精通したスタッフが、中立的な立場で判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。