法人向け電気料金上昇、高騰リスクシミュレーターのロゴ

法人向け電気料金上昇、高騰リスクシミュレーター

電気代の値上がりリスクを30秒で診断

診断実施回数: -

リスク平均スコア: -

燃料費調整額の計算式の詳細

燃調費は「貿易統計の 3 ヶ月平均 CIF 価格」と「基準燃料価格」の差額から、一定の係数で kWh あたり単価に換算する仕組みです。 このページでは、各計算要素の意味と、電力会社・契約区分で結果が変わる理由を詳しく解説します。

計算式の全体像

燃料費調整単価 = (平均燃料価格 − 基準燃料価格)× 基準単価 ÷ 1,000

平均燃料価格 = 原油 CIF × α + LNG CIF × β + 石炭 CIF × γ

α + β + γ = 1(換算係数は会社・契約区分ごとに定める)

① 平均燃料価格(3燃料の加重平均)

平均燃料価格は、原油・LNG・石炭の貿易統計 CIF 価格(輸入価格)の加重平均です。 加重の比率(換算係数 α, β, γ)は、各電力会社の火力発電の燃料構成を反映して決められています。

電力会社(例)原油比率 αLNG比率 β石炭比率 γ
東京電力EP(関東)約 0.05約 0.65約 0.30
関西電力(近畿)約 0.10約 0.45約 0.45
九州電力(九州)約 0.15約 0.40約 0.45

※ 比率は概算イメージ。正確な値は各社の約款・公表資料を確認してください。LNG 比率が高い会社ほど、LNG 価格急騰時の影響が大きくなります。

② 基準燃料価格

基準燃料価格は、燃調制度が設定された時点(または料金改定時)の燃料価格水準を指します。 平均燃料価格がこれを上回るとプラス、下回るとマイナスになります。

2023 年の規制料金改定では、多くの電力会社が基準燃料価格を引き上げました。 これにより、同じ燃料価格でも燃調単価は低く算出される(実質的な本体値上げ)形になっています。

③ 3ヶ月平均とタイムラグ

燃調は「直近3ヶ月の貿易統計 CIF 平均」を参照し、その月の燃調単価として反映します。 例えば「8月検針分」の燃調は「2〜4月の貿易統計 CIF 平均」を参照します。

タイムラグの例

参照期間反映検針月
2月・3月・4月8月検針分
5月・6月・7月11月検針分
8月・9月・10月2月検針分

このラグにより、燃料価格が下がってもしばらく燃調は高止まりし、燃料価格が上がっても実際の請求反映は数ヶ月後になります。 予算管理では、この 3〜5 ヶ月の先行指標として貿易統計を確認するのが実務的です。

④ 契約区分別の違い

  • 低圧(家庭・業務用):換算係数は高圧・特別高圧と異なり、燃調の変動幅は比較的小さい。
  • 高圧:kWh あたりの影響額が最も大きい区分。月次の変動が経営への影響として見えやすい。
  • 特別高圧:基本単価が低いぶん、同じ燃調変動でも請求額全体に対する比率は大きくなる。

計算例:月10万kWhの高圧需要家

平均燃料価格が基準より 15,000 円/kl 上昇した場合、基準単価 0.2 を仮定すると燃調単価は:

15,000 × 0.2 ÷ 1,000 = 3.0 円/kWh

月10万 kWh × 3.0 円/kWh = 30 万円/月 の影響

年額では 360 万円の差になります。使用量規模が大きい事業者ほど、燃調の変動が経営に与える影響が大きくなります。

関連する解説ページ

自社への影響額を試算

現在の使用量をベースに、燃調上振れシナリオでの月額・年額影響を確認できます。