高圧電力(6,600V受電)の契約は、低圧に比べて料金構造が複雑で、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・力率割引など複数の要素が絡み合います。契約更新時や電力会社の変更を検討する際には、これらの要素を正確に把握して比較することが重要です。
このページでは、高圧契約を見直す際に確認すべき着眼点を整理します。担当者が「どこを確認すればよいか」を把握するための実践的なガイドです。
このページでわかること
高圧電力契約の電気料金は、大きく分けると以下の要素で構成されます。見直しに先立って、現在の請求書でこれらの内訳を確認してください。
基本料金(円/kW・月)
デマンド値(最大需要電力)×単価。力率によって割引・割増。
電力量料金(円/kWh)
使用量×単価。季節・時間帯別の場合あり。
燃料費調整額(円/kWh)
燃料価格に連動して変動。上限設定の有無が重要。
再エネ賦課金(円/kWh)
制度負担。プランに関係なく発生。年度改定。
デマンド(最大需要電力)の管理
高圧の基本料金はデマンド値(30分間の最大需要電力)に基づいて算定されます。デマンド値が実際の使用パターンに対して高止まりしていないかを確認します。デマンドコントローラーの設定見直しやピークカット施策でデマンドを下げると基本料金が削減できます。
燃料費調整額の上限設定の有無
現在の契約プランに燃料費調整額の上限(キャップ)が設定されているかを確認します。上限なしのプランでは、LNG等の燃料価格が高騰した際に請求が大きく上振れするリスクがあります。
固定プランと市場連動プランの選択
高圧需要家では市場連動プランを選ぶ選択肢もあります。使用量が大きい分、価格変動の影響も大きくなるため、リスク許容度と使用パターンを踏まえた慎重な判断が必要です。
季節・時間帯別の料金区分の有無
高圧のプランには、季節別・時間帯別に電力量料金の単価が異なるものがあります。自社の使用パターン(昼間が多い/夜間が多いなど)に合った料金体系を選ぶことが重要です。
契約期間・解約条件
高圧契約には1〜3年の契約期間が設定されることが多く、中途解約には違約金が発生するケースがあります。更新時期と解約条件を把握しておきます。
力率割引の適用状況
現在の力率を確認し、割増が発生していないかをチェックします。力率が低い場合は進相コンデンサの点検・設置を検討します。
力率の詳しい仕組みは 力率とは何か で確認できます。
高圧契約の見積書を複数社から取得して比較する際には、以下の点に注意することで正確な比較が可能になります。
A.契約満了の3〜6ヶ月前が理想です。現契約の解約通知期限を過ぎると自動更新で見直し機会を失うため、満了時期の1年前からモニタリング開始することを推奨します。
A.①単価、②契約期間、③違約金条項、④燃料費調整の仕組み、⑤市場価格調整の有無、⑥更新通知期限、⑦値上げ通知時の解約権、の7項目です。単価比較だけでは不十分。
A.一概に決まりません。新電力は単価で有利なケースが多い一方、供給安定性・サポート体制は大手が優勢。2022〜2023年の新電力撤退リスクを教訓に、事業継続性も評価軸に含めるべきです。
A.①スケールメリットで単価交渉力向上、②契約管理工数の集約、③データ統合によるエネマネ高度化、④グループCO2削減戦略の統一、が得られます。年間5億円規模で年数千万円の削減も。
A.①見積条件(契約電力・使用kWh想定)を統一、②全費用項目を含む総額比較、③契約期間の統一、④違約金条項の差を見落とさない、⑤長期のシナリオ試算を加える、の5点に注意します。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
デマンド値・使用量・プランタイプをもとに、年間電気料金と見直し効果をシミュレーターで試算できます。
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中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。