JEPX スポット市場の価格は、法人向け電気料金の背景を読むための重要指標です。 このページでは 2016 年度から現在までの年度平均システムプライスを整理し、 各年度の背景要因を解説します。
出典: 日本卸電力取引所(JEPX)公表値。
| 年度 | 年度平均 | 主な背景 |
|---|---|---|
| 2016年度 | 8.47 | 新電力参入拡大期、安定基調 |
| 2017年度 | 9.74 | 燃料価格上昇 |
| 2018年度 | 9.74 | 安定基調持続 |
| 2019年度 | 7.92 | コロナ直前、燃料安で底値 |
| 2020年度 | 11.12 | 2021年1月に250円超スパイク発生 |
| 2021年度 | 13.48 | LNG需給逼迫で高値定着 |
| 2022年度 | 20.37 | ウクライナ危機で過去最高 |
| 2023年度 | 10.74 | LNG正常化で下落 |
| 2024年度 | 12.30 | 再上昇基調 |
| 2025年度 | 11.05 | 高止まり継続 |
2020 年度末、記録的な寒波と LNG 在庫逼迫で、JEPX スポット価格は 2021 年 1 月中旬に 一時 250 円/kWh を超える 30 分コマが発生しました。1 月の月平均は 60 円/kWh を突破し、 年度平均を大きく押し上げました。
当時の状況:広域予備率が一桁台に低下。節電要請が出される中、 市場連動プラン契約の中小事業者・新電力で経営破綻が相次いだ。
2022 年 2 月のウクライナ危機発生以降、LNG スポット価格が歴史的な水準まで急騰。 日本の発電用 LNG 調達コストが跳ね上がり、JEPX 年度平均は 20.37 円/kWh に達しました。 2022 年度は年間を通じて 15〜25 円/kWh の高値水準が続き、 新電力 100 社超が撤退・事業譲渡に追い込まれました。
年度平均だけでなく、時間帯別の変動パターンも重要です。典型的な変動は次の通りです。
電力自由化前後を含む2010年度以降の全データを整理しました。FY2019が最安(7.93円)、FY2022が過去最高(20.41円)で、 FY2025は11.06円と落ち着いた水準となっています。
| 年度 | 平均 | 中央値 | 最安 | 最高 | 標準偏差 | 平均約定量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2010年度 | 8.38円 | 8.00円 | 3.83円 | 36円 | 2.69 | 31万kWh |
| 2011年度 | 13.72円 | 13.10円 | 5.80円 | 39円 | 5.06 | 27万kWh |
| 2012年度 | 14.43円 | 14.02円 | 6.79円 | 40円 | 3.40 | 42万kWh |
| 2013年度 | 16.51円 | 16.32円 | 5.93円 | 55円 | 3.30 | 59万kWh |
| 2014年度 | 14.67円 | 14.40円 | 5.47円 | 45円 | 2.75 | 72万kWh |
| 2015年度 | 9.78円 | 9.31円 | 3.82円 | 45円 | 2.70 | 88万kWh |
| 2016年度 | 8.46円 | 7.77円 | 3.84円 | 40円 | 2.98 | 131万kWh |
| 2017年度 | 9.72円 | 8.58円 | 4.51円 | 50円 | 3.82 | 334万kWh |
| 2018年度 | 9.76円 | 9.20円 | 3.00円 | 75円 | 3.37 | 1191万kWh |
| 2019年度 | 7.93円 | 7.34円 | 0.01円 | 60円 | 3.12 | 1665万kWh |
| 2020年度 | 11.21円 | 5.63円 | 0.01円 | 251円 | 23.73 | 1786万kWh |
| 2021年度 | 13.46円 | 9.76円 | 0.01円 | 80円 | 9.99 | 1867万kWh |
| 2022年度 | 20.41円 | 19.62円 | 0.01円 | 100円 | 10.41 | 1818万kWh |
| 2023年度 | 10.74円 | 10.78円 | 0.01円 | 53円 | 4.44 | 1488万kWh |
| 2024年度 | 12.29円 | 11.97円 | 0.01円 | 45円 | 4.39 | 1517万kWh |
| 2025年度 | 11.06円 | 10.78円 | 0.01円 | 38円 | 3.88 | 1624万kWh |
| 2026年度 | 15.81円 | 17.69円 | 0.01円 | 35円 | 7.99 | 1897万kWh |
出典: 日本卸電力取引所(JEPX)公表値を集計。単位: 円/kWh(約定量を除く)。
FY2010のコマあたり平均約定量は約31万kWhでしたが、FY2025には1,624万kWhと50倍超に拡大しました。 電力小売全面自由化(2016年度)以降、市場参加者が急増し、JEPX の流動性と価格発見機能が大幅に向上しています。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
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LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
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GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
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※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
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※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
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2016年度は8.47円/kWhで安定していましたが、2020年度末に寒波で250円超のスパイクが発生。2022年度はウクライナ危機でLNGが高騰し、年度平均20.37円/kWhと過去最高を記録しました。2023年度以降はLNG正常化で10〜12円台に落ち着いています。
記録的な寒波とLNG在庫逼迫により、2021年1月中旬にJEPXスポット価格が一時250円/kWhを超える30分コマが発生しました。月平均は60円/kWhを突破し、市場連動プラン契約の中小事業者・新電力で経営破綻が相次ぎました。
FY2010のコマあたり平均約定量は約31万kWhでしたが、FY2025には1,624万kWhと50倍超に成長しました。電力小売全面自由化(2016年度)以降、市場参加者が急増し、流動性と価格発見機能が大幅に向上しています。
著者: 江田健二(一般社団法人エネルギー情報センター 代表理事)
公開日: 2026-04-11
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