BENCHMARK / 相場・削減効果
削減施策の効果・難易度マトリクス
優先順位の判断軸と業種別推奨施策
電気代削減施策は多岐にわたりますが、「効果の大きさ」と「実施の難易度(コスト・工数)」の2軸で整理することで、優先順位が明確になります。 限られたリソースでコスト削減の成果を最大化するために、まず「高効果×低難易度」の施策から着手し、段階的に「高効果×高難易度」の施策へ移行することが基本の考え方です。
マトリクスの4つの象限と対応方針
高効果 × 低難易度
まず取り組むべき施策群。コストや手間が少なく、かつ削減効果が大きい。 契約電力の見直し・照明LED化・空調設定の適正化などが該当します。
高効果 × 高難易度
中長期計画で取り組むべき施策。設備更新や大型投資が必要だが、実施すれば大きな削減効果が得られます。 予算・補助金・ROIを精査してから着手します。
低効果 × 低難易度
効果は小さいが手軽にできる施策。習慣として定着させることで積み重ねで効果が出ます。 フィルター清掃・消灯徹底・PCスリープ設定などが該当します。
低効果 × 高難易度
コストと手間に対して削減効果が小さい施策。優先度は低く、他の施策が一段落してから検討します。 補助金・助成金がなければ後回しにすることが合理的です。
削減施策 効果・難易度マトリクス一覧
効果・難易度は1(低)〜5(高)のスコアで評価
| 施策名 | 効果 | 難易度 | 優先度 | 初期費用 | 回収期間 | 削減ポイント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 照明LED化(蛍光灯→LED) | 4/5 | 2/5 | 最優先 | 10〜300万円 | 2〜5年 | 照明費40〜60%削減 |
| 空調設定温度の適正化 | 3/5 | 1/5 | 最優先 | 0円 | 即日 | 5〜10%削減 |
| デマンド実績の把握・分析 | 3/5 | 1/5 | 最優先 | 0円 | 即日 | 改善の土台となる最重要ステップ |
| 契約電力の見直し申請 | 4/5 | 2/5 | 最優先 | ほぼ0円 | 翌月から | 基本料金5〜20%削減 |
| 空調フィルター清掃 | 2/5 | 1/5 | 習慣化 | 0〜数千円 | 即日 | 2〜5%削減、コスト不要 |
| 不使用時の照明・空調オフ | 2/5 | 1/5 | 習慣化 | 0円 | 即日 | 3〜8%削減 |
| 電力プランの切り替え | 3/5 | 2/5 | 最優先 | ほぼ0円 | 翌月から | 5〜15%削減 |
| コンプレッサーエア漏れ補修 | 2/5 | 1/5 | 習慣化 | 点検費のみ | 即日 | 1〜5%削減 |
| タイマー・センサー制御導入 | 3/5 | 2/5 | 最優先 | 5〜30万円 | 1〜3年 | 5〜15%削減(照明・空調) |
| 小売電気事業者の切り替え | 3/5 | 2/5 | 最優先 | 手続き費のみ | 翌月から | 3〜12%削減 |
| デマンドコントローラー導入 | 4/5 | 3/5 | 計画的に | 20〜100万円 | 1〜3年 | 基本料金10〜25%削減 |
| 高効率空調設備への更新 | 5/5 | 4/5 | 計画的に | 50〜500万円/台 | 3〜7年 | 空調電力20〜35%削減 |
| 太陽光発電・PPA導入 | 5/5 | 4/5 | 計画的に | PPAは0円〜 | 10〜20年(自己所有) | 再エネ調達・長期コスト安定 |
| インバータ化(モーター) | 4/5 | 3/5 | 計画的に | 100〜500万円 | 2〜5年 | 20〜40%削減 |
| BEMS導入 | 4/5 | 4/5 | 計画的に | 数百万〜数千万円 | 3〜8年 | 5〜20%の包括的削減 |
| コジェネレーション導入 | 5/5 | 5/5 | 計画的に | 1,000万円〜 | 5〜10年 | 15〜40%削減・熱利用含む |
| 蓄電池導入(ピークシフト) | 4/5 | 5/5 | 計画的に | 500万〜数千万円 | 5〜10年 | 基本料金10〜25%削減 |
| 特別高圧契約への切り替え | 4/5 | 5/5 | 計画的に | 受電設備費 | 3〜8年 | 単価15〜30%低減 |
| 生産シフト最適化 | 3/5 | 4/5 | 後回し | コンサル費 | 1〜3年 | デマンド10〜25%削減 |
| 建物断熱改修(内窓等) | 3/5 | 4/5 | 後回し | 10〜500万円 | 3〜8年 | 空調分10〜25%削減 |
施策別 効果スコアの比較(5段階評価)
業種別 推奨施策(優先順位トップ4)
業種によって電気消費の構造が異なるため、優先すべき施策も変わります
製造業(工場)
デマンド管理と動力設備の省エネが最大のレバレッジ
- デマンドコントローラー導入
- インバータ化(モーター)
- コンプレッサーエア漏れ補修
- 照明LED化(工場・水銀灯)
オフィス
空調と照明で電気代の70%以上を占めるため、この2つが最優先
- 空調設定温度の適正化
- 照明LED化
- タイマー・センサー制御
- 電力プランの切り替え
小売業
照明と冷蔵設備が主な消費源。多店舗展開では一括対策が効果的
- 照明LED化
- 冷蔵ショーケースのナイトカーテン
- 空調フィルター清掃
- 小売電気事業者の切り替え
飲食業
換気・空調・照明が主な消費源。厨房換気のインバータ化は費用対効果が高い
- 換気ファンのインバータ制御
- 空調フィルター清掃
- 照明LED化
- 空調設定温度の適正化
宿泊業
24時間稼働でピーク管理が重要。デマンドコントロールの効果が大きい
- デマンドコントローラー導入
- 高効率空調への更新
- タイマー・センサー制御
- 照明LED化
医療機関
重要設備の制御は困難なため、制御不要な照明・一般空調の最適化が優先
- 照明LED化(廊下・外来等)
- 空調フィルター清掃
- 電力プランの切り替え
- デマンド実績の把握
優先順位の決め方:3ステップ
STEP 1: 現状把握
請求書から「基本料金」「電力量料金」「燃調費」の比率を確認。 デマンド実績と電気代の内訳を把握することが、施策選択の出発点です。
STEP 2: 最優先施策の選定
「高効果×低難易度」の施策を3〜5つ選び、まず取り組みます。 コストゼロで実施できる運用改善・契約見直しから着手するのがセオリーです。
STEP 3: 中長期計画の策定
「高効果×高難易度」の施策はROI計算・補助金調査・設備更新タイミングを踏まえて計画。 設備の老朽化更新と省エネを組み合わせることで効率的な投資ができます。
※本ページの効果・難易度スコアは業界一般的な傾向をもとにした概算評価です。 実際の効果は施設の規模・設備状況・操業パターンによって大きく異なります。正確な削減余地の評価は省エネ診断士や専門業者にご相談ください。
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現在の電気代水準と上昇リスクをシミュレーターで確認し、どの施策を優先すべきかの判断材料にしてください。
相場と自社を突き合わせて、次の判断材料を作る
相場データを読んだら、自社の電気代がどの位置にあるかをシミュレーターで確認しましょう。相場より高い要因の特定や、削減余地の試算は専門家との壁打ちが効果的です。
