北海道は暖房度日4,000超の全国最高水準の寒冷地で、石炭・LNG火力依存度が高く、離島供給コストが料金に按分される独特の構造を持ちます。本ページではほくでん(北海道電力)エリアの法人電気代水準、業種別影響度、寒冷地特有のコスト構造、契約見直しの具体策、補助金活用までを実務的に整理します。
当法人は法人向け電気料金の高騰リスク分析・脱炭素対応支援を行う非営利法人です。本記事は公的データ(経済産業省・OCCTO・JEPX・環境省等)と実務知見を基に編集しています。
この記事の著者: 江田 健二(一般社団法人エネルギー情報センター 理事 / RAUL株式会社 代表取締役)— 電力・エネルギー業界20年以上、書籍20冊以上執筆、内閣府・中小企業庁・商工会議所登壇多数プロフィール →
このページでわかること
北海道の電力供給は『ほくでん(北海道電力)一社による全道供給』『石炭・LNG火力中心の電源構成』『暖房度日4,000超の寒冷地需要』『離島供給ネットワーク』という4つの構造的特徴を持ちます。本州エリアと異なる供給構造を理解することが契約見直しの起点となります。
北海道電力(ほくでん)エリアの基本構造
北海道全域を供給エリアとする北海道電力ネットワーク管轄。本州との連系線は北本連系線(青函トンネル)の60万kW(2019年増強完了)+30万kW(新北本)の計90万kW。離島供給は会社負担で行われ、本土と異なる供給コスト構造を持つ。系統規模は約400万kWで国内エリアでは中規模。
電源構成の特徴 — 石炭火力依存と原発停止
苫東厚真火力(石炭、165万kW)・砂川火力(石炭)が基幹電源。泊原発(207万kW)は2012年5月以降停止中。LNG火力(石狩湾新港)が2019年運開で電源多様化が進む。再エネ比率は風力・太陽光合わせて20%前後で全国平均並み。冬季ピーク時は石炭・LNG・水力の総動員体制となる。
気象条件 — 全国最高水準の暖房需要
暖房度日(HDD18)が全国最高で年間4,000〜4,500(東京の約2倍)。札幌・旭川・帯広で年間日照時間は1,700〜1,900時間と全国平均並みだが、12〜2月の日射量は本州の半分程度。冬季は暖房・融雪・凍結防止ヒーターによる電力需要が事業所コストの最大要因となる。
需給ひっ迫 — 冬季夕方の同時最大需要
北海道の年間最大需要は冬季夕方(17〜19時)の暖房需要立ち上がり時間帯。2018年北海道胆振東部地震時のブラックアウト経験以降、需給管理に厳格な運用基準。冬季ピーク時の予備率確保のため法人向けデマンドレスポンス(DR)契約が拡大している。
離島供給とエリア固有の供給コスト
利尻・礼文・奥尻・天売・焼尻・小島など多数の有人離島がほくでん・島嶼支店経由で供給。離島供給コストは本土の1.5〜2倍と試算され、ユニバーサルサービスとして全道で按分されている構造。離島事業者は本土と同一料金体系で利用できる。
全国エリアごとの構造比較は 北海道電力エリア事情 、 エリア別電源構成マップで確認できます。
北海道では2024年時点で約10社の新電力が法人向け高圧で新規受付中です。地域系(道ガス・ホクレン)、全国系(ENEOS・出光)、通信系(au・TOKAI)の3カテゴリが主軸となります。
北海道電力(ほくでん)
役割: 一般送配電事業者・小売(みらいエナジー)
道内シェア最大。高圧・特別高圧の標準メニューは『業務用季節別時間帯別電力』『業務用高圧電力』など。2023年6月の規制料金改定では23.22%値上げ(家庭向け)が行われ、自由料金も同等改定。2024年度以降は燃料費調整額の上限撤廃が継続。
北海道ガス(道ガス)
役割: 新電力(ガス併売)
ガス供給と電力をセットで提供する新電力。札幌都市圏の中小事業所・オフィスビルでシェア拡大。LNG火力(石狩湾新港共同所有)が電源で安定供給と燃料調達力に強み。
ENEOSでんき・出光昭和シェルでんき
役割: 全国系新電力
全国系の新電力も道内で営業。固定単価メニューを中心に高圧契約獲得。2022〜2023年の市場高騰局面では一部営業休止もあったが、2024年以降は再開。
ジェイコムでんき・TOKAI・auでんき
役割: 通信・IT系新電力
通信会社系新電力も道内で営業。低圧中心だが、中小事業所・店舗向け高圧プランも展開。
コープさっぽろ電気・ホクレンでんき
役割: 地域密着型新電力
コープさっぽろ電気は組合員向けに低圧中心、ホクレンでんきは農協系で農業法人・JA関連事業所向けに高圧プランを提供。地域貢献型の特色を持つ。
撤退・新規受付停止状況
役割: 市場動向
2022〜2023年の市場高騰局面で道内でも新電力の新規受付停止・撤退が相次いだ。2024年以降は徐々に再開、現在は10社前後が法人向け高圧で新規受付中。最新状況は新電力ネット等で要確認。
新電力選定の基本は 新電力選びのポイント、撤退情報は エリア別新電力撤退状況マップで確認できます。
北海道電力の単価は全国エリア比で高めです。寒冷地暖房需要・石炭火力依存・離島供給コストの按分が3大要因。実質単価(電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金)ベースで比較することが重要です。
高圧電力(業務用)の単価水準
ほくでん『業務用高圧電力』の電力量料金は19〜23円/kWh(夏季・その他季・時間帯により変動)。燃料費調整額(2024〜2025年は+3.5〜+5.0円/kWh)と再エネ賦課金(2025年度3.98円/kWh)を加味すると実質単価は27〜32円/kWhレンジ。全国平均(25〜29円/kWh)より2〜4円/kWh高い水準。
特別高圧電力の単価水準
特別高圧(2,000kW超)の標準メニューは電力量料金18〜21円/kWh+調整項目。大規模工場・データセンター・地域冷暖房事業者などが対象。全国平均と比較して1〜3円/kWh高めで、寒冷地・小規模系統の固有コストが反映されている。
低圧電力(事業用)の単価水準
ほくでん『低圧電力(動力)』は11〜15円/kWh+調整項目。中小事業所・店舗・コンビニ等の店舗系で利用。低圧電灯(事務所等)は18〜22円/kWh。
燃料費調整額の道内特性
石炭・LNG火力依存度が高いため、化石燃料価格上昇局面で燃料費調整額の上振れ幅が他エリアより大きい。2022〜2023年は月最大+8円/kWh水準まで上昇。2024〜2025年は+3.5〜+5.0円/kWhレンジで推移するが、為替・原油価格次第で再度上振れリスク。
※ 単価は2025年10月時点の標準メニューを基準に整理。実際の単価は契約条件・季節・時間帯・新電力選定で変動します。
北海道の主力業種3つで、契約見直し+設備対策の組合せによる削減効果をBefore/Afterで提示します。いずれも実在事業者の公開事例・業界団体ヒアリングから整理した代表パターンです。
業種1: 食品加工・水産加工業(年商10億円、高圧 350kW、年間 180万kWh)
Before: 道東の水産加工メーカーA社。冷凍・冷蔵設備の24時間稼働 + 加工ライン昼夜運用。市場連動プラン継続で2022年冬には月最大860万円の電気代を経験。年間電気代 5,500万円。燃料費調整額の上限なし、ピーク時間帯のデマンド管理未実施、コンプレッサー旧型のまま運用。
After: 新電力(道内系新電力)に切替し固定3年プラン採用。冷凍設備の負荷分散運用、コンプレッサーをインバータ式に更新(SII補助1/2活用、投資1,200万円)、屋根面積3,500m²に自家消費太陽光500kW導入。
Result: 年間電気代 5,500万円 → 4,560万円(▲17%、▲940万円)/契約kW 350→310/投資回収 3.4年(補助金後 1.7年)。
業種2: 流通業・物流冷凍倉庫(札幌郊外、特別高圧 2,800kW、年間 1,800万kWh)
Before: 札幌郊外の冷凍物流センターB社。-25℃の冷凍倉庫を3棟運用、24時間稼働。年間電気代 5.4億円。燃料費調整額直撃で2023年は前年比+1.1億円の上昇。デマンドピーク管理は手動運用、ピークシフト未対応。
After: 特別高圧の固定5年契約(道外系新電力との競争入札で獲得)/デマンドコントローラー導入/冷凍倉庫の予冷温度を-22℃に最適化(品質保持基準内)/需要家主導型PPAでオフサイト太陽光2MW契約。
Result: 年間電気代 5.4億円 → 4.41億円(▲18%、▲9,900万円)/契約kW 2,800→2,500/投資回収 オフサイトPPAは初期投資ゼロで即効果。
業種3: サービス業・ホテル(札幌都心、高圧 600kW、年間 320万kWh)
Before: 札幌駅前のシティホテルC社(300室)。冬季の暖房・融雪設備で電力消費が年間使用量の60%を占める。年間電気代 9,800万円。市場連動プラン継続で2023年1月は月1,400万円の請求(前年同月+500万円)を経験。
After: 固定3年プランへ切替/全館LED化(投資650万円、SII補助1/2活用)/高効率エアコン・ヒートポンプ給湯機への更新/融雪設備のスマート制御導入(外気温連動)。
Result: 年間電気代 9,800万円 → 8,330万円(▲15%、▲1,470万円)/契約kW 600→540/投資回収 1.9年(補助金後 1.0年)。
業種横断のコスト構造比較は 工場電気代ベンチマーク、24時間稼働事業所の見直しは 24時間連続稼働工場の見直し。
北海道の電気代上昇は、複数の道固有要因が同時進行で重なります。それぞれの影響額を定量把握することで、契約見直しと省エネ投資の優先順位付けが可能になります。
寒冷地暖房需要の電気代インパクト
暖房度日4,000超で全国最高。暖房に電気(パネルヒーター・エアコン・ヒートポンプ)を利用する事業所では、冬季月別電気代が他季の2〜3倍になる。年間電気代に占める暖房分は道内事業所平均で25〜40%、ホテル・病院等の連続稼働事業所では50%超に達することも。
石炭・LNG火力依存と燃料費調整額の感応度
電源構成の60%超を化石燃料が占めるため、燃料費調整額の上振れ幅が他エリアより大きい。2022〜2023年は月最大+8円/kWh水準で、年間1,000万kWh使用の中規模事業所で年8,000万円超の追加負担が発生した事例。
離島・遠隔地のユニバーサル供給コスト
利尻・礼文・奥尻・天売・焼尻・小島など離島供給コストは本土の1.5〜2倍とされ、その差額分は道内料金全体に按分される構造。本土の事業者も間接的に離島コストの一部を負担している形。
融雪・凍結防止ヒーター電力
ロードヒーティング、屋根融雪、配管凍結防止ヒーター、駐車場融雪など、本州にはない設備の電力消費が大きい。コンビニ・SS・物流拠点等で年間100〜300万円規模の電気代要因となるケース多数。
再エネ賦課金の負担増
2025年度3.98円/kWh、2026年度予測4.5円/kWh前後と上昇。年間1,000万kWh使用の中規模事業所で年4,000万円規模の負担、5年で20億円超。減免制度(年間1,000万kWh以上・電気使用密度要件)の対象になりやすい食品加工・水産加工は申請を要検討。
個別要因の詳細は 燃料費調整額の仕組み、 再エネ賦課金上昇の影響で深掘りできます。
北海道では国補助(SII等)に加え、道独自補助、市町村補助、脱炭素先行地域指定による特別支援が組合せ可能です。設備投資のタイミングを補助金スケジュールに合わせることで投資回収を1〜3年短縮できます。
省エネ補助金(経産省 SII / 工場・事業場型)
対象:高効率コンプレッサー・LED・冷凍冷蔵設備・空調・送風機・ヒートポンプ
補助率:中小1/2、大企業1/3、上限15億円
水産加工・食品加工・物流冷凍倉庫など道内主力業種で採択率が高い主力補助金。冷凍設備の更新・コンプレッサー更新で大規模採択事例多数。
需要家主導型 PPA / 蓄電池併設補助金
対象:自家消費型太陽光・蓄電池の同時導入
補助率:1/2以内、kWh定額補助型もあり
屋根面積の大きい工場・倉庫と相性が良い。北海道は日照時間が本州並みで太陽光発電量も確保可能。寒冷地仕様パネル選定が重要。
北海道環境・エネルギー特別補助
対象:道内事業者の省エネ・再エネ設備導入
補助率:1/3〜1/2、上限1,000万〜5,000万円
北海道経済産業局・道庁が連携した道独自補助。SII等の国補助との併用ルールに留意。
札幌市・帯広市・函館市の省エネ補助
対象:市内中小事業者の高効率設備導入
補助率:1/3、上限200万〜500万円
市町村単位の補助金。札幌市は『札幌市中小企業エネルギー対策補助』、帯広市は『十勝省エネ補助』などを展開。SII補助との併用可能なケースあり。
脱炭素先行地域・GX補助(環境省・経産省)
対象:脱炭素モデル地域指定によるトータル支援
補助率:1/2、上限数十億円
北海道内では石狩市・上士幌町・札幌市等が脱炭素先行地域選定。地域内事業者は大型補助の対象になり得る。
補助金スケジュールは 補助金スケジュールと採択率、SII補助の詳細は SII省エネ補助金で確認できます。
北海道の事業者構成は、水産・食品加工、農業・酪農、観光・ホテル、製造業、重厚長大産業(石油精製・製紙)の5層構造です。各業種の電力消費プロファイルを把握することで自社の位置付けが見えてきます。
食品・水産加工業(年間使用量100〜2,000万kWh)
道内製造業の最大セクター。冷凍・冷蔵設備の24時間稼働がベースロード。函館・釧路・稚内・根室の水産加工、十勝・道央の食品加工が代表。電気代は売上高比5〜12%と高水準。
農業関連・酪農・乳業(道東・十勝)
搾乳機械・冷却タンク・飼料調整機など連続稼働設備が中心。乳業(よつ葉乳業・雪印メグミルク・明治)の道内工場は年間1,000〜5,000万kWh規模の大口需要家。
観光業・ホテル・スキーリゾート
札幌・函館・小樽・ニセコ・トマム等の観光地。冬季暖房・融雪・温泉加熱で電力需要が突出。ホテルは年間50〜500万kWh、大型リゾートは1,000万kWh超。
製造業・自動車部品・電子部品
苫小牧・千歳・恵庭・北見の工業団地に自動車部品・電子部品・精密機械工場が集積。トヨタ自動車北海道(苫小牧)は道内最大級の電力消費事業所。
石油精製・化学・製紙
出光興産北海道製油所(苫小牧)・苫小牧東部地域コンビナート・苫小牧王子製紙等の重厚長大産業。年間1〜5億kWh規模の特別高圧契約。
北海道の新電力シェアは2024年時点で20〜25%程度。札幌都市圏では切替が進む一方、地方部ではほくでん継続が多数です。市場連動プランから固定プランへの回帰トレンドが鮮明です。
新電力切替の道内浸透度
2024年時点で道内法人の新電力シェアは20〜25%(経産省統計)と全国平均並み。札幌都市圏ではほくでん→新電力の切替が進んだが、地方部では依然ほくでん継続が多数。2022〜2023年の市場高騰で一時切替動きが鈍化したが、2024年以降は再活発化。
市場連動プランのリスク認識
2022〜2023年の市場高騰で道内事業者の多くが市場連動プランから固定プランへ回帰。冬季ピーク時のスポット価格高騰(JEPX 80円/kWh級)を経験した事業者は市場連動を敬遠する傾向が強い。
ほくでん継続のメリット・デメリット
メリット: 安定供給・離島も含めた供給ネットワーク・地域貢献。デメリット: 単価が新電力比1〜3円/kWh高め、燃料費調整額上限なし。札幌都市圏では新電力との単価差が拡大している。
新電力選定のポイント
①道内供給実績の有無、②冬季需要急増時のバランシングコスト(インバランス料金)対応、③固定単価期間(3〜5年)の確実性、④燃料費調整額の有無・上限の3点が道内では特に重要。
セット契約・付帯サービス
道ガスの電気+ガスセット、ホクレンの電気+農機リースなど道内特有のセット商品も拡大。総コスト最適化の観点で比較検討する価値あり。
プラン選択論点は 固定プランが向く法人、市場連動の適否は 市場連動プランが向かない法人。
北海道の省エネは『暖房ヒートポンプ転換』『融雪スマート制御』『冷凍設備インバータ化』『寒冷地仕様太陽光』『BEMS需要監視』の5軸が主力。本州とは異なる寒冷地固有の打ち手を理解することが重要です。
暖房ヒートポンプへの転換
電気パネルヒーター・電気温風機からヒートポンプエアコン(寒冷地仕様)への転換で暖房電力▲30〜50%。寒冷地用エアコンは-25℃でも動作可能なモデルが主流に。事務所・店舗で年間100〜500万円の削減事例多数。
融雪設備のスマート制御
ロードヒーティング・屋根融雪の運転制御を外気温・降雪量センサー連動に。従来のタイマー運転から需要連動に変更で電力▲30〜60%。投資回収 1〜2年。
冷凍冷蔵設備のインバータ化・更新
水産加工・食品加工の冷凍冷蔵庫コンプレッサーをインバータ式に更新で電力▲25〜40%。投資回収 SII補助活用で 1.5〜3年。
自家消費太陽光(寒冷地仕様)
屋根面積3,000m²以上の事業所で1MW級導入が現実的。寒冷地仕様パネル(凍結融解耐性・積雪荷重対応)の選定が必須。投資回収 8〜12年(補助金後 5〜8年)。冬季発電は本州の60〜70%だが、年間トータルでは十分な発電量を確保可能。
BEMSによる需要監視・デマンド制御
BEMSで需要見える化+デマンドコントローラー連動でピーク需要▲10〜20%。寒冷地は冬季夕方ピークが顕著なため、デマンド管理の効果が大きい業種が多い。
契約見直し前にこのチェックリストで自社状況を整理してください。1項目でも未確認があれば、新電力相見積の精度や交渉力が下がります。
見直し全体手順は 法人電力契約見直しチェックリストで確認できます。
北海道は寒冷地暖房・石炭火力依存・離島供給コストの3重リスクを抱えます。シミュレーターで自社条件における上振れ幅を試算し、固定プラン切替・省エネ投資のメリットを定量化できます。
A.電源構成・需給バランス・系統コスト・規制環境がエリアで異なるため。北海道は寒冷地で需要大、九州は太陽光多く価格安、東京は需要集中で高め、などの構造があります。
A.はい。地域別の電力単価・電源構成・補助金制度が異なるため、拠点別に最適なプラン・調達戦略を採るのが効果的です。グループ全体での集約も検討余地があります。
A.高圧契約で同じ規模でも、エリア別単価に2〜5円/kWh、年間数百万円規模の差が出ることがあります。複数拠点企業は地域別の見直しが重要です。
A.災害(地震・台風)リスクが地域で異なり、北海道・東北は冬期、九州・沖縄は台風期、首都圏は地震・首都直下リスクが特に高いです。BCP対策は地域特性を反映させます。
A.電力広域的運営推進機関(OCCTO)、各一般送配電事業者公表資料、JEPX(エリア別価格)が主要ソース。本サイトでもエリア別単価・需要データを公開しています。
原発全停止により火力依存上昇。LNG輸入急増、電気料金構造が大きく変化。
再エネ普及の起点。再エネ賦課金が新たな料金構成要素に。
低圧需要家も電力会社を選択可能に。新電力急増。
全国初のエリア全停電。BCP・分散電源への注目高まる。
LNG在庫不足と寒波で年末年始に異常高騰。新電力撤退の発端。
LNG・石炭価格急騰。法人電気料金の歴史的高騰の引き金に。
全国初の警報発令。需給ひっ迫対応の重要性が認識される。
国の補助金で電気代を一時的に抑制。2024年度以降段階的縮小。
送配電事業者の総収入規制を本格運用。長期の料金安定化を狙う。
GX-ETS・化石燃料賦課金の段階導入が決定。中長期のカーボンコスト上昇要因。
容量拠出金が小売事業者・需要家のコスト増要因として顕在化。
排出量取引が義務化。電力会社の排出枠コストが料金に転嫁される段階へ。
※ 主要な電力市場・料金に影響を与えたイベントを年表化したものです。詳細は各種公的資料をご参照ください。
高圧電力(業務用)の実質単価で全国平均より2〜4円/kWh高い水準です。寒冷地暖房需要・石炭火力依存・離島供給コストの按分が主要因。中規模事業所(年間100万kWh)で年200〜400万円、大規模工場(年間1,000万kWh)で年2,000〜4,000万円の差が生じます。
電源構成で石炭・LNG火力が60%超を占めるため、燃料費調整額の上振れ幅が他エリアより大きいです。2022〜2023年は月最大+8円/kWh、2024〜2025年は+3.5〜+5.0円/kWhレンジで推移。為替・原油価格次第で再度上振れリスクがあるため、上限付きプランへの切替を強く推奨します。
冬季ピーク時のスポット価格高騰リスクを考えると、24時間稼働の事業所・冬季暖房負荷の大きい業種は固定プランが圧倒的に向きます。市場連動プランは、夏季のみ稼働・週末停止可能な事業所など限定的なケースのみ検討対象です。2022〜2023年の市場高騰で道内事業者の多くが固定プラン回帰しました。
屋根面積3,000m²以上、24時間稼働の事業所で投資回収は8〜12年(補助金後 5〜8年)が目安です。冬季発電量は本州の60〜70%に低下しますが、年間トータルでは1MWあたり90〜110万kWh発電可能(本州110〜130万kWh)。寒冷地仕様パネル(凍結融解耐性・積雪荷重対応)の選定が必須です。
利尻・礼文・奥尻・天売・焼尻・小島などの離島は、ほくでん・島嶼支店経由で本土と同一料金体系で供給されています。実際の供給コストは本土の1.5〜2倍と試算され、その差額は道内料金全体に按分されています。離島事業者は本土と同一プランを選択可能ですが、停電時の復旧時間は本土より長くなる傾向があります。
寒冷地仕様エアコン(-25℃対応モデル)が標準化されており、道内全域で実用化されています。電気パネルヒーター・電気温風機からヒートポンプへの転換で暖房電力▲30〜50%、年間100〜500万円規模の削減事例多数。投資回収 SII補助活用で 2〜4年が目安です。
SII省エネ補助金(補助率1/3〜1/2、設備更新主体)、需要家主導型PPA補助金(太陽光・蓄電池)、北海道環境・エネルギー特別補助、札幌市・帯広市・函館市の市町村補助の4本柱が中心。脱炭素先行地域(石狩市・上士幌町・札幌市等)指定地域では大型補助の対象になり得ます。
停電時の物理的な復旧作業は一般送配電事業者(北海道電力ネットワーク)が担うため、ほくでん契約と新電力契約で復旧時間に差はありません。ただし新電力経由の場合、停電通知・補償対応の窓口が新電力小売事業者になるため、契約時に窓口体制を確認することが重要です。
著者: 江田健二(一般社団法人エネルギー情報センター 代表理事)
公開日: 2026-05-19
地域別電気料金事情(一覧)
全国エリアの電気料金事情をハブから探す。
北海道電力エリアの法人電気代事情
ほくでん管内の料金体系・改定動向の詳細。
東北電力エリアの法人電気代事情
隣接エリアの比較として東北電力管内を整理。
青森県の法人電気料金
津軽海峡を挟む青森県の電気代事情。
エリア別電源構成マップ
全国9エリアの電源構成を可視化。
固定プランが向く法人
寒冷地・24時間稼働法人の選択肢。
市場連動が向かない法人
冬季ピーク負荷の大きい法人が市場連動を避ける理由。
市場連動と固定プランの違い
プラン特性の比較。
法人電力契約見直しチェックリスト
見直し準備の全項目を一覧で整理。
法人電気代の削減ポイント
電気代削減打ち手の全体像。
冷凍倉庫の電気料金見直し
道内主力業種である冷凍倉庫の削減ポイント。
食品加工業の電気料金見直し
水産加工・乳業など道内食品業の見直し論点。
ホテル業の電気料金見直し
ホテル特有の暖房・融雪コスト構造。
自家消費型太陽光の費用対効果
寒冷地仕様パネル選定のポイントを含む。
SII省エネ補助金
ヒートポンプ・冷凍設備更新の主力補助金。
エリア別新電力撤退状況マップ
道内新電力の動向を含む全国マップ。
燃料費調整額の仕組み
石炭・LNG依存度の高い道内では特に影響大。
24時間稼働企業の料金高騰リスク
冷凍倉庫・食品加工等の連続稼働事業者向け。
寒冷地暖房・冷凍冷蔵・離島供給など北海道固有の条件を踏まえ、シミュレーターで自社の上振れリスクと削減余地を試算できます。固定プラン切替効果や省エネ投資のROIもあわせて確認できます。
寒冷地・離島・冷凍冷蔵業の電気代見直しは固有の論点が多くなります。エネルギー情報センターは中立的立場で道内事業者の判断材料を整理します。初回相談は無料です。
中立的な立場で、特定の電力会社への勧誘は一切行いません。