MECHANISM
原油からガソリン価格が決まるまで
税金・原油・流通の内訳と、価格反映のタイムラグを把握して、店頭価格の動きを構造的に理解します。
特集の全体構成(8ページ)
ガソリン価格の構成要素
ガソリン1リットルの店頭価格は、大きく4つの要素で構成されています。税金が全体の約4割を占めるため、 原油価格が2倍になってもガソリン価格は2倍にはなりません。
ガソリン価格の構成比(概算)
170円の内訳(補助金適用後・2026年4月概算)
| 項目 | 金額(円/L) | 構成比 |
|---|---|---|
| 原油・精製コスト | 93 | 55% |
| ガソリン税(本則+旧暫定→廃止済) | 28.7 | 17% |
| 石油石炭税 | 2.8 | 2% |
| 消費税(10%) | 15.5 | 9% |
| 流通・スタンドマージン | 14 | 8% |
| 補助金による値引き | -48.1 | — |
| 店頭価格(概算) | ≈170 | — |
原油価格の反映タイムラグ
中東で原油が高騰しても、すぐに店頭価格へ反映されるわけではありません。ただし、ガソリンは電気代(3〜4カ月)と比べて タイムラグが短く、約1カ月で反映されます。
原油高騰
中東市場
中東市場
タンカー輸送
約3週間
約3週間
精製・卸売
数日〜1週間
数日〜1週間
店頭価格
約1カ月後
約1カ月後
ただし元売りは先取り反映する
石油元売り業者は海外の原油先物価格を卸売価格へ迅速に反映するため、実際にはタンカーが到着する前から値上げが始まります。 「原油が上がったらすぐ高くなるのに、下がってもなかなか安くならない」という体感はこの仕組みに起因します。
暫定税率廃止の効果と現実
2025年12月31日にガソリンの暫定税率(25.1円/L)が廃止されました。本来であれば25円の値下げ効果があるはずでしたが、 2月28日のイラン攻撃による原油急騰で、値下げ効果は完全に打ち消されています。
| 時期 | 暫定税率 | 原油影響 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 2025年12月(廃止直前) | +25.1円 | ±0 | 基準 |
| 2026年1月(廃止後) | -25.1円 | ±0 | -25円 |
| 2026年3月(原油急騰後) | -25.1円 | +50〜60円 | +25〜35円 |
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次にすること
総論ページと電気代シナリオ分析もあわせて見ることで、エネルギーコスト全体の意思決定に繋げやすくなります。
