7〜9月の電気・ガス料金支援の決定・JEPX前年比約+39%・燃料費調整と梅雨/台風の気象を総整理
2026年6月使用分の法人向け電気料金は、「支援・市場・気象」の3つの論点が同時に動いた月です。第一に、6月12日に7〜9月使用分の電気・ガス料金支援が特例的に認可され、家庭・低圧に加えて高圧も対象に含まれることが示されました。第二に、JEPXスポット価格が上昇し、システムプライスの月間平均は15.10円/kWh、前年同月比で約+39%となりました。第三に、梅雨・台風による太平洋側の日照不足が太陽光発電を抑え、東エリアの卸価格を押し上げました。
一方で、低圧・高圧・特別高圧の4区分の6月実績単価は、出典としている電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」が2026年3月分までしか公表していないため、本記事公開時点では確定していません。そこで本記事では、確定値(2026年3月分まで)と、6月の動向に関する定性整理を明確に分けて解説します。数値の断定は確定値に限り、公表待ちの項目は「公表待ち」と明記します。
本記事は、電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」、JEPX、経済産業省・資源エネルギー庁、気象庁、主要電力10社の公表情報をもとに整理しています。本記事は中立的な情報整理を目的としており、特定の電力会社・契約形態を推奨するものではありません。公開日は2026年7月9日です。
当社団が運営している「新電力ネット」のデータをもとに、契約区分ごとのkWhあたり単価を整理しました。
特別高圧
16.6円/kWh
高圧
18.9円/kWh
低圧電灯
23.1円/kWh
低圧電力
27.4円/kWh
※消費税および再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まない参考値です。
※上記カードは電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」の最新確定分(2026年3月分)です(販売額÷販売電力量・全国計・検針期間ベース、事後訂正あり得る)。 2026年4月分以降の4区分実績単価は未公表で、4月分は2026年7月中旬、6月分は9月頃の公表見込みです。確定値が公表され次第、順次更新します。
当月を含む直近6ヶ月のkWh単価推移を、契約区分別に表示しています。
※縦軸は表示期間内の最小値〜最大値を基準に自動調整しています。
※上記グラフは電力取引報の確定値が公表済みの直近6か月(2025年10月〜2026年3月分)です。2026年4月分以降は公表待ちのため含みません。
同じ6月で過去の水準と比べると、現在の料金がどのあたりに位置するかを把握しやすくなります。2026年6月分は電力取引報の公表待ち(9月頃見込み)のため、確定値が出るまでは2023〜2025年の6月分を参照します。
| 契約区分 | 2023年6月 | 2024年6月 | 2025年6月 | 2026年6月 |
|---|---|---|---|---|
| 特別高圧 | 21.5円 | 17.7円 | 17.3円 | 公表待ち |
| 高圧 | 23.0円 | 21.7円 | 21.7円 | 公表待ち |
| 低圧電灯 | 25.2円 | 27.6円 | 28.8円 | 公表待ち |
| 低圧電力 | 30.3円 | 32.7円 | 34.6円 | 公表待ち |
※単位は円/kWh。消費税および再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まない参考値です。数値は電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」から算出しています。
2026年5月25日の首相表明を経て、6月12日に7〜9月使用分の電気・ガス料金支援が特例的に認可されました。予備費5,135億円を財源とし、標準的な家庭で3か月合計およそ5,000円の負担軽減が見込まれています。法人にとって重要なのは、この支援が家庭・低圧に加えて高圧も対象に含む点と、8月使用分が増額される見込みである点です。
単価は各社・各月で異なります。あくまで一例として、四国電力が公表した料金月ベースの値引き単価は次の通りです。自社の契約区分・契約先が対象になるか、また実際の単価・適用条件は、必ず各社公式でご確認ください。
| 契約区分 | 8月分 | 9月分 | 10月分 |
|---|---|---|---|
| 低圧 | ▲3.5 円/kWh | ▲4.5 円/kWh | ▲3.5 円/kWh |
| 高圧 | ▲1.8 円/kWh | ▲2.3 円/kWh | ▲1.8 円/kWh |
支援は一部単価の値引きであり、請求額のすべてが下がるわけではありません。再エネ賦課金(2026年度確定 4.18円/kWh)、燃料費調整、市場価格調整といった支援対象外のコストは請求書に残ります。7〜9月の請求書では「どの単価が下がり、どこは下がらないのか」を切り分けて確認することが、支援の効果を正しく把握する第一歩です。制度の背景は 再エネ賦課金とは、 燃料費調整額の仕組みも併せてご確認ください。なお、本記事は特定の政策の是非を評価するものではなく、制度事実の整理を目的としています。
2026年6月のJEPXシステムプライス月間平均は15.10円/kWhで、前年同月(10.87円/kWh)比+4.23円、約+39%の上昇でした。5月(14.06円/kWh)からも上振れています。月間の最高値は32.17円/kWh、最低値は0.01円/kWh、約定総量は285.9億kWh(前年6月は222.9億kWh)と取引量も増加しました。数値はJEPX公表のスポット取引結果CSVから全コマ単純平均で算出しています。
| エリア | 2026/6 (円/kWh) | 2026/5 (円/kWh) | 2025/6 (円/kWh) | 前年同月差 |
|---|---|---|---|---|
| システムプライス | 15.10 | 14.06 | 10.87 | +4.23 |
| 北海道 | 14.51 | 13.65 | 9.37 | +5.14 |
| 東北 | 15.29 | 14.38 | 11.05 | +4.24 |
| 東京 | 20.01 | 18.01 | 12.96 | +7.05 |
| 中部 | 17.92 | 16.23 | 11.04 | +6.88 |
| 北陸 | 13.94 | 13.94 | 10.68 | +3.26 |
| 関西 | 13.88 | 13.94 | 10.68 | +3.20 |
| 中国 | 10.79 | 11.76 | 9.41 | +1.38 |
| 四国 | 7.88 | 7.57 | 9.20 | ▲1.32 |
| 九州 | 10.02 | 9.48 | 9.37 | +0.65 |
東京20.01円/kWh・中部17.92円/kWhと東エリアが高い一方、四国は7.88円/kWhで前年比マイナスの唯一のエリアでした。台風の連続接近と太平洋側の日照不足(平年の8割前後)で太陽光発電が伸びにくく、東エリアの卸価格が押し上げられたことが背景の一つと考えられます。なお沖縄はJEPXの取引対象外のため表に含まれません。市場連動型プランを採用する法人は、拠点のあるエリアの水準差を踏まえてリスクを点検することが重要です。 JEPXとは、 JEPXスポット価格ダッシュボード、 市場価格調整の総合解説も参考になります。
低圧(電灯・電力)は、小規模事業所・店舗・サービス拠点で広く使われる契約区分です。2026年6月分の低圧の実績単価は電力取引報の公表待ち(9月頃見込み)のため、ここでは断定を避け、確定値・燃料費調整・支援策から動向を定性的に整理します。参考として、電力取引報の最新確定分である2026年3月分は、低圧電灯23.10円/kWh・低圧電力27.37円/kWhでした(消費税・賦課金を含まない参考値)。
6月分の燃料費調整(低圧・燃調本体)は会社差が大きく、たとえば東北電力8.36円/kWh・中部電力ミライズ1.35円/kWhのように加算となる会社がある一方、北陸電力▲7.69円/kWh・沖縄電力▲12.77円/kWhのようにマイナス(値引き方向)の会社もあります。低圧主体の事業者にとっては、7〜9月の電気・ガス料金支援が低圧も対象である点(単価例は各社公式で要確認)が7月以降の請求に効いてきます。
多店舗展開の企業では、1拠点あたりの差は小さくても合算では大きな金額になります。7〜9月支援の対象可否を確認しつつ、 削減見直しポイントを参考に、夏季ピーク前の契約点検を進めることが望ましいです。
高圧は、工場・商業施設・病院・学校・物流施設・オフィスビルで広く使われる主力契約区分です。2026年6月分の高圧の実績単価は電力取引報の公表待ちのため、ここでは動向を定性的に整理します。参考として、最新確定分の2026年3月分は高圧18.92円/kWhでした。今回7〜9月の電気・ガス料金支援に高圧が対象として含まれた点は、6月号の大きな論点です。
6月分の高圧・燃調本体(税込)は、5月分比で全社ほぼ横ばい〜小幅上昇(おおむね+0.03〜+0.07円/kWh)でした。ただし、2026年4月に約款を改定した会社では燃調本体とは別に市場価格調整が加わり、東京電力EPや中部電力ミライズのように市場連動分が上昇を主導するケースがあります。支援の単価例(四国電力)では高圧が8月▲1.8・9月▲2.3・10月▲1.8円/kWhとされていますが、これは一例で各社・各月で異なります。
高圧需要家の業種別の見直しポイントは 業種別の見直しポイント集、契約見直しの全体手順は 法人電力契約見直しチェックリストで確認できます。
特別高圧は、大規模工場・データセンター・大型商業施設・自治体の基幹施設・大規模病院など、非常に大きな電力需要を持つ事業者が中心です。2026年6月分の特別高圧の実績単価は電力取引報の公表待ちのため、ここでは動向を定性的に整理します。参考として、最新確定分の2026年3月分は特別高圧16.58円/kWhでした。
6月分の特別高圧・燃調本体(税込)も、5月分比で全社ほぼ横ばい〜小幅上昇(おおむね+0.03〜+0.07円/kWh)でした。一方、東京電力EPの特高1.44円/kWh(前月比+0.57)や中部電力ミライズの特高1.45円/kWh(前月比+1.33)のように、2026年4月の約款改定で市場価格調整を内包した会社では、燃調本体以上に市場連動分の寄与が大きくなっています。特別高圧は燃料価格・需給・市場価格調整といった構造要因が単価を主導する区分であり、JEPXが前年比約+39%となった6月局面では、市場連動比率の点検が重要です。なお、今回の7〜9月支援は家庭・低圧・高圧が中心で、対象区分の詳細は各社公式で要確認です。
特別高圧需要家にとっては データセンターの電気料金見直し、 JEPXスポット市場の歴史が実務的な参照先になります。
JEPX前年比約+39%・東西価格差の局面です。自社エリアの水準と7〜8月ピークの影響額を、シミュレーターで試算しておきましょう。
主要電力10社の2026年6月分 燃料費調整単価を、特別高圧・高圧の燃調本体(税込)で統一して整理しました。6月分は2026年1〜3月の貿易統計を反映しています(各社2026年4月28日発表、算定諸元は原油65,969円/kl・LNG87,003円/t・石炭19,176円/t)。表内の増減は5月分比です。市場価格調整(東京電力EP・中部電力ミライズ・関西電力・九州電力ほか)は別途加算があり、詳細は各社公式でご確認ください。
| 電力会社 | 特高 6月 (円/kWh) | 特高 前月差 | 高圧 6月 (円/kWh) | 高圧 前月差 | 備考(市場価格調整ほか) |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道電力 | ▲2.32 | ▲0.01 | ▲2.38 | ±0.00 | 燃調本体は前月比ほぼ横ばい |
| 東北電力 | 0.39 | +0.06 | 0.40 | +0.05 | 市場価格調整が別途(検針初日以外▲0.09) |
| 東京電力EP | 1.44 | +0.57 | 1.47 | +0.58 | 2026年4月新約款=燃調+時間帯別市場価格調整。市場調整ゼロプランは特高2.61/高圧2.68 |
| 中部電力ミライズ | 1.45 | +1.33 | 1.47 | +1.35 | 2026年4月からHH・卸市場調整を内包(上昇は市場連動分が主導) |
| 北陸電力 | ▲7.18 | +0.04 | ▲7.32 | +0.04 | 燃調本体はマイナス基調を維持 |
| 関西電力 | ▲0.98 | +0.04 | ▲0.99 | — | 高圧500kW未満は市場調整+0.35込みで▲0.64 |
| 中国電力 | ▲1.32 | +0.06 | ▲1.35 | +0.06 | 合計値 |
| 四国電力 | ▲6.86 | +0.03 | ▲7.04 | +0.03 | 燃調本体はマイナス基調を維持 |
| 九州電力 | ▲0.68 | +0.31 | ▲0.70 | +0.31 | 合計値(燃調+離島+市場0.25) |
| 沖縄電力 | ▲12.04 | +0.07 | ▲12.32 | +0.07 | 合計値(燃調+離島) |
燃調本体は全社ほぼ横ばい〜小幅上昇(おおむね+0.03〜+0.07円/kWh)です。一方、市場価格調整込みでは関西+0.60・九州+0.31・東京/中部で+0.6〜+1.4円と、市場連動分が上昇を主導する会社があります。
※本表は各社の燃調本体(税込)で統一しています。市場価格調整は表外の注記扱いで、別途加算があります。前号(2026年5月号)の掲載表とは算定基準が異なるため、単純な数値比較はできません。詳細は各社公式および 燃料費調整額の過去推移、 約款での燃料費調整確認をご確認ください。
2026年6月は、梅雨と台風の影響が大きい月でした。台風6号が6月3日に和歌山へ上陸し、下旬にも台風7号・8号が続きました。線状降水帯は6月3日(徳島・和歌山・静岡・神奈川)と6月24日(鹿児島)に発生。降水は太平洋側と沖縄・奄美で「かなり多い」状況となり、東京の月降水量は436.5mm(平年比260%)に達しました。気温は北日本で高温、東・西日本と沖縄・奄美は平年並みでした。
| 地点 | 6月平均気温 | 平年差 | メモ |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 18.5℃ | +1.5℃ | 北日本は高温 |
| 仙台 | 19.6℃ | +0.4℃ | 平年をやや上回る |
| 東京 | 21.5℃ | ▲0.4℃ | 曇雨天続きで平年をやや下回る |
| 名古屋 | 23.0℃ | ±0℃ | 平年並み |
| 大阪 | 23.4℃ | ▲0.2℃ | 平年並み |
| 広島 | 23.1℃ | ▲0.1℃ | 平年並み |
| 福岡 | 23.5℃ | +0.2℃ | 平年並み |
| 那覇 | 26.7℃ | ▲0.5℃ | 6/29頃に梅雨明け |
電力需要の観点では、二つの方向が同時に働きました。第一に、梅雨の曇雨天と台風による太平洋側の日照不足(平年の8割前後)で太陽光発電が伸びにくく、東エリアのJEPX価格を押し上げました。第二に、中旬の全国的な高温で冷房需要が立ち上がり始めました。梅雨入りは九州南部6月1日頃、関東甲信6月7日頃、北陸・東北南部6月20日頃、東北北部6月21日頃で、沖縄は6月29日頃に梅雨明けしています。7〜8月の本格的な冷房ピークに向けて、需要側の管理を前倒しで準備する時期にあたります。
2026年5月20日にまとめられた夏季の電力需給対策では、全エリアで安定供給に必要な予備率3%以上が確保される見通しとなり、今夏は数値目標付きの節電要請が見送られました。供給面の逼迫感は相対的に小さいものの、料金面では市場価格や燃料費調整、そして冷房ピークに伴うデマンド(最大需要電力)が引き続き重要です。また、中東情勢による原油供給への不安は継続しており、国家備蓄原油の追加放出(5月1日から約20日分)も行われました。燃料価格は依然として不確実性を抱えています。
6月は、7〜8月の本格ピーク前に契約と需要管理を点検する最終的なタイミングです。次の3視点で7月中に意思決定を進めておくと、夏季の上振れ抑制と年間予算の安定運用につながります。
6/12に認可された7〜9月使用分の電気・ガス料金支援は、8月分が増額される見込みです。ただし単価は各社・各月で異なり、適用条件は各社公式で確認が必要です。支援はあくまで一部単価の値引きであり、再エネ賦課金(2026年度確定 4.18円/kWh、2027年4月検針分まで)や燃料費調整、市場価格調整といった支援対象外のコストは請求書に残ります。7〜9月の請求書では「支援でどこが下がり、どこは下がらないのか」を切り分けて確認することが起点になります。
2026年6月のJEPXシステムプライス月間平均は15.10円/kWh、前年同月比+4.23円(約+39%)でした。東京20.01円/kWh・中部17.92円/kWhと東エリアが高い一方、四国は7.88円/kWhで前年比マイナスと、東西の価格差が鮮明です。市場連動型プランを採用する法人は、拠点のあるエリアの水準と、7〜8月のピーク需要期に向けた上振れ余地をシミュレーターで試算し、固定プランとの比較材料を7月中に整えておくのが望ましいタイミングです。
5/20の経産省の夏季電力需給対策では、全エリアで安定供給に必要な予備率3%以上が確保され、今夏の数値目標付き節電要請は見送られました。供給面の逼迫感は相対的に小さい一方、冷房立ち上がりによるデマンド(最大需要電力)超過は基本料金を翌月以降1年間押し上げます。7〜8月のピーク前に、デマンドコントローラや蓄電池・自家消費太陽光といったピークカット策の要否を判断しておくことが、年間の基本料金コントロールにつながります。
ピーク前のシナリオ試算は シミュレーター、設備対策の全体像は 電力コスト削減アクションマップ、経営層向けの説明は CFOのための電気料金基礎が参考になります。
2026年6月の電気料金影響を業種別に整理しました。6月は梅雨で冷房需要が本格化し始める端境期であり、日照不足による市場価格の上振れと、冷房立ち上がりによるデマンド増の両面が働きます。影響度は、市場連動比率・ベースロードの大きさ・冷房や冷蔵の負荷特性・7〜9月支援の効きやすさを総合した目安です(実績単価ではなく定性的な整理です)。
| 業種 | 影響度 | 主な要因と6月の見直しポイント |
|---|---|---|
| 製造業(24時間操業) | 中 | ベースロードが大きく市場価格調整・燃調の変動を全量で受ける。冷房立ち上がりでデマンド増の恐れ。固定プラン継続の妥当性を点検 |
| 商業施設・スーパー | 中 | 冷蔵・冷凍の常時負荷に冷房需要が加わる端境期。日照不足でも室内負荷は縮まず、7〜9月支援の反映確認と冷凍機効率の点検が有効 |
| 病院・介護施設 | 中 | 24時間空調で冷房需要が本格化。支援は一部単価にとどまるため、デマンド管理と契約電力の妥当性確認が要点 |
| データセンター | 高 | 高ベースロードで市場価格調整・燃調の絶対額が大きい。JEPX前年比+39%局面で市場連動比率の点検、再エネ調達併用の検討余地が大きい |
| オフィスビル | 中 | 6月は梅雨で冷房需要が本格化する端境期。7〜8月ピーク前に契約とデマンドを点検しておく好機 |
| ホテル・宿泊 | 中 | 客室・共用部の冷房が通年化。エリアによるJEPX差が大きいため、立地エリアの市場水準を踏まえた調達方針の確認が有効 |
| 物流・冷蔵倉庫 | 中 | 冷蔵・冷凍が常時負荷。梅雨明け後のピークに向け、デマンド超過の抑制と支援対象外コストの把握が要点 |
| 飲食チェーン | 低 | 低圧中心で1拠点あたりの影響は限定的だが、多店舗合算では無視できない。支援反映の確認と固定プランの年契約化を検討 |
業種別の詳しい見直しポイントは 病院/ 食品工場/ オフィスビル/ データセンター/ スーパーなどの個別記事を参照してください。
7〜9月支援の対象可否や、燃料費調整・市場価格調整の見方で迷ったら、お気軽にご相談ください。中立の立場で情報整理をお手伝いします。
2026年6月使用分の法人電気料金は、(1) 6月12日に認可された7〜9月使用分の電気・ガス料金支援(高圧も対象・8月分増額見込み)、(2) JEPXシステムプライスの月間平均15.10円/kWh・前年同月比約+39%と東西価格差、(3) 燃調本体は全社ほぼ横ばい〜小幅上昇の一方で市場価格調整込みでは会社差が大きい、という3点が重なる月でした。再エネ賦課金は4.18円/kWh(2026年度確定)で据え置きです。4区分の6月実績単価は電力取引報の公表待ち(9月頃見込み)のため、本記事では確定値と定性整理を分けて解説しました。
6月時点の確認チェックリストは次の通りです。
※本記事の数値は、電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」(4区分の確定値、2026年3月分まで)、JEPX(スポット取引結果CSVの全コマ単純平均)、主要電力10社の2026年4月28日プレス(6月分燃料費調整・燃調本体)、気象庁(2026年6月の気象)、経済産業省・資源エネルギー庁(7〜9月支援・夏季需給)に基づきます。2026年4月分以降の4区分実績単価は公表待ちで、公表され次第、順次更新します。本記事は中立的な情報整理を目的としており、特定の電力会社・契約形態を推奨するものではありません。
2026年6月12日に7〜9月使用分の電気・ガス料金支援が特例的に認可され、家庭・低圧に加えて高圧も対象に含まれます。8月使用分は増額される見込みです。単価の公表例では、四国電力の料金月ベースで低圧が8月▲3.5・9月▲4.5・10月▲3.5円/kWh、高圧が▲1.8・▲2.3・▲1.8円/kWhとされていますが、これは一例であり各社・各月で異なります。適用条件・対象区分は必ず各社公式でご確認ください。
2026年6月のJEPXシステムプライス月間平均は15.10円/kWhで、前年同月(10.87円/kWh)比+4.23円、約+39%の上昇でした。台風の連続接近と太平洋側の日照不足(平年の8割前後)で太陽光発電が伸びにくく、東エリアの卸価格が押し上げられたことが要因の一つです。エリア差も大きく、東京20.01円/kWh・中部17.92円/kWhに対し、四国は7.88円/kWhと前年比マイナスの唯一のエリアでした。数値はJEPX公表のスポット取引結果CSVから全コマ単純平均で算出しています。
主要10社の燃調本体(税込)は、5月分比で全社ほぼ横ばい〜小幅上昇(おおむね+0.03〜+0.07円/kWh)でした。一方、2026年4月に約款を改定した会社では、燃調本体とは別に時間帯別・卸市場に連動する市場価格調整が加わり、東京・中部・関西・九州などでは市場連動分が上昇を主導しています。本記事の一覧表は各社の燃調本体(税込)で統一し、市場価格調整は注記で整理しています。前号(5月号)の掲載表とは算定基準が異なるため、単純な数値比較はできません。
2026年6月分の4区分実績単価は、本記事公開時点では未公表です。出典としている電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」は2026年3月分までが公表済みで、4月分は7月中旬、6月分は9月頃の公表見込みです。このため本ページのカードは最新の確定分(2026年3月分)を表示し、6月の動向は燃料費調整・JEPX・気象・支援策から定性的に整理しています。確定値が公表され次第、順次更新します。
はい。2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金は4.18円/kWhで確定しており、2027年4月検針分までこの単価が適用されます。5月に改定されて以降は据え置きで、6月使用分でも全使用量に同じ単価が上乗せされます。使用量が多い法人ほど固定的な負担として効いてくる項目です。
2026年5月20日にまとめられた夏季の電力需給対策では、全エリアで安定供給に必要な予備率3%以上が確保される見通しとなり、今夏は数値目標付きの節電要請が見送られました。供給面の逼迫感は相対的に小さいものの、冷房需要のピークに伴うデマンド(最大需要電力)超過は基本料金に影響するため、需要側の管理は引き続き重要です。
6月は梅雨や台風の影響が大きい月でした。台風6号が6月3日に和歌山へ上陸し、下旬にも台風が続いたほか、複数地域で線状降水帯が発生。太平洋側と沖縄・奄美では降水がかなり多く、東京の月降水量は436.5mm(平年比260%)に達しました。太平洋側の日照不足は太陽光発電を抑え、東エリアのJEPX価格を押し上げる一因になりました。気温は北日本で高温、東・西日本と沖縄・奄美は平年並みでした。
①7〜9月支援の対象可否と、支援対象外コスト(賦課金4.18円/kWh・燃調・市場価格調整)の切り分け、②市場連動プランの夏季リスク再点検(JEPX前年比約+39%・東西価格差)、③デマンド管理と今夏需給の確認(節電要請なし・全エリア予備率3%以上)の3点です。7月のうちに契約とピークカット策の要否を判断しておくことが、夏季の上振れ抑制と年間予算の安定運用につながります。
著者: 江田健二(一般社団法人エネルギー情報センター 代表理事)
公開日: 2026-07-09
2026年5月の振り返り
前号(再エネ賦課金改定後の本格運用・夏季ピーク前対策)
月次振り返りハブ
全月次振り返り一覧と長期推移
特別高圧の電気料金推移(2019〜2025)
コロナ・ウクライナ危機・補助金の影響を年別に解説
高圧の電気料金推移(2019〜2025)
年別の推移と構造変化を確認
低圧電力の電気料金推移(2019〜2025)
低圧電力の長期推移を整理
低圧電灯の電気料金推移(2019〜2025)
低圧電灯の長期推移を整理
東京エリアの電気料金推移
エリア別の推移と価格差の背景
法人電気料金の10年推移
長期の推移を俯瞰して現在地を確認
燃料費調整額の解説
6月動向の理解に必須のサブピラー
再エネ賦課金とは
4.18円/kWh(2026年度)の仕組み
市場価格調整の総合解説
燃調本体とは別の市場連動分の見方
JEPXスポット価格ダッシュボード
エリア別の単価と東西価格差
法人電力契約見直しチェックリスト
見直し準備で確認すべき項目
業種別の見直しポイント集
業種別の負荷特性と契約最適化
CFO向け電気料金基礎
経営層向け説明資料
お問い合わせ・相談
契約・請求の疑問を中立の立場で整理
2026年6月の動向を踏まえ、自社の契約条件をシミュレーターで診断してください。7〜8月ピーク前のリスク試算にも活用できます。
当法人は法人向け電気料金の高騰リスク分析・脱炭素対応支援を行う非営利法人です。本記事は公的データ(経済産業省・OCCTO・JEPX・環境省等)と実務知見を基に編集しています。
この記事の著者: 江田 健二(一般社団法人エネルギー情報センター 理事 / RAUL株式会社 代表取締役)— 電力・エネルギー業界20年以上、書籍20冊以上執筆、内閣府・中小企業庁・商工会議所登壇多数プロフィール →