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オフィスビルの電気料金見直しポイント

オフィスビルの電気料金は、空調・照明・エレベーターなど複数の設備が組み合わさっており、特に夏冬の空調シーズンに使用量が増加します。平日日中に使用が集中するパターンは、料金プランの選択や設備対策の判断に影響します。

このページでは、オフィスビル特有の負荷特性を踏まえ、契約見直しの着眼点を整理しています。

このページでわかること

  • オフィスビルの電力消費を構成する主要設備と特性
  • 平日日中集中型使用パターンと季節変動の把握方法
  • 固定プランと市場連動プランの向き不向き
  • デマンドピーク管理と設備対策の考え方
  • テナントビルと自社ビルの違いによる契約の複雑さ

オフィスビルの電気料金が上がりやすい理由

オフィスビルの電気料金上昇には、以下のような構造的な要因があります。

  • 空調設備が電気使用量の40〜60%を占め、夏冬の気温変動で大きく変わる
  • 近年の猛暑・厳冬化により、空調需要のピーク値が年々高まる傾向
  • 燃料費調整・再エネ賦課金・容量拠出金など、コントロールできない上乗せ費用の増加
  • 大規模ビルでは電力使用量が多く、単価変動の影響が金額ベースで大きい
  • 設備の老朽化により、効率が低下した空調・照明が使用量を押し上げる場合がある

電気料金の上昇要因の全体像は 法人の電気料金が上がる理由 で確認できます。

負荷特性から見た着眼点

オフィスビルの電力使用は、以下の設備カテゴリに大きく分けて考えることができます。

空調設備

オフィスビルの電気使用量の40〜60%を空調が占めることが多い。夏場の冷房・冬場の暖房で使用量が増加し、特に夏の高気温日にはデマンドピークが発生しやすい。中間期(春・秋)は使用量が大幅に減少する。

照明設備

営業時間(平日8時〜20時前後)に集中して使用。LED化が進んでいる建物では照明の電力消費は大幅に削減されているが、大規模ビルでは絶対量がまだ大きいケースもある。人感センサー・照度センサーとの組み合わせが効果的。

エレベーター・エスカレーター

通勤・昼食時間帯などの集中時に稼働が増加する。高層ビルでは台数が多く、合計消費量は無視できない規模になる。ただし個別に制御できる余地は少ないため、契約電力の管理よりも稼働最適化が主な対策になる。

サーバー・OA機器

テレワーク普及後も、オンプレミスサーバーや複合機・PC等のOA機器が一定の電力を消費し続ける。常時稼働のサーバーはベースロードとして影響し、クラウド移行でオフィスの電力消費を削減できる場合もある。

共用部・外灯

共用廊下・駐車場・外灯・防犯カメラ・エントランスなどの設備は24時間稼働するものも多い。テナントビルでは管理費と電気代の配分が複雑になることもある。

固定プランと市場連動プランの考え方

オフィスビルは、業種特性によって固定プランと市場連動プランの向き不向きが分かれます。事業規模・リスク許容度・予算管理の方法を整理した上で判断することが重要です。

固定プランが向きやすいケース

  • 大規模ビル(使用量が多く変動の絶対額が大きい)
  • 上場企業・公益法人など予算管理の説明責任がある法人
  • 夏場に空調需要が大きく、需給逼迫リスクと重なる懸念がある
  • 電力担当者が価格モニタリングに充てるリソースが少ない

市場連動を検討できるケース

  • 中小規模ビルで電力使用量が限定的(上振れの絶対額が小さい)
  • 電力価格モニタリング・DR対応ができる体制がある
  • 市場価格の変動リスクを許容できる財務基盤がある
  • コスト削減目標が高く、平均コスト低下を優先したい

プラン選択の考え方は 固定プランと市場連動プランの判断ガイド で詳しく整理しています。

契約見直しで確認したいこと

平日日中集中型の使用パターンを把握する

オフィスビルは平日の昼間に電力使用が集中し、夜間・休日は大幅に低下する傾向があります。この「昼間集中・夜間低下」のパターンは、時間帯別料金設計(ピーク・オフピーク)を活用できる可能性があります。直近12か月の月次使用量に加えて、30分値のデマンドデータを収集しておくと、負荷パターンの分析に役立ちます。

季節変動の確認

空調が主な電力使用の業種のため、夏(冷房)と冬(暖房)に使用量が増加し、春・秋は低くなる二山型のパターンが典型的です。ただし、近年の猛暑により夏の電力消費が年々増加傾向にあることも考慮に入れておく必要があります。

デマンドピーク管理

夏の暑い日に空調・照明・OA機器が同時に動くタイミングでデマンドのピークが発生します。デマンドコントローラーによる設備の起動タイミング制御、空調設定温度の管理、照明の自動制御などを組み合わせることで、契約電力の引き下げにつながる可能性があります。

テナントビルと自社ビルの違い

テナントビルでは、電力の一括受電・テナント別メーター・管理組合経由の契約など、電力の供給形態が複雑になることがあります。自社ビルでは意思決定がシンプルですが、テナントビルでは管理会社・テナント・オーナーの関係整理が必要な場合があります。

契約見直しの全体的な進め方は 法人の電力契約見直しチェックリスト で整理しています。

設備対策との組み合わせ

契約見直しと並行して、設備面での省エネ対策を検討することで、電気料金の削減効果をさらに高められます。オフィスビルで検討されることの多い設備対策は以下のとおりです。

空調の高効率化・制御

インバーター制御・部分負荷効率の高い機種への更新。フロア別・時間帯別のきめ細かい制御で、使用量削減とデマンド抑制の両方に効果が出やすい。

照明のLED化・センサー制御

未LED化のフロアがある場合は、LED化による電力削減効果が大きい。人感センサー・照度センサーとの組み合わせで、自動消灯・調光による削減効果を高める。

デマンドコントローラー

30分値デマンドのピークを監視し、設定値を超えそうになると空調・照明等を自動制御。契約電力の引き下げにつながり、基本料金の削減効果がある。

屋上・壁面太陽光

屋上面積がある自社ビルでは、自家消費型太陽光発電で昼間の購入電力を削減できる。PPAモデルを活用することで初期投資を抑えて導入できる場合もある。

シミュレーターで確認したいこと

オフィスビルの契約見直しでは、以下の観点でシミュレーターを活用すると、判断材料を数値で把握できます。

  • 現行契約での年間上振れリスク額を確認する
  • 固定プランと市場連動プランの年間コスト差を試算する
  • 夏の需給逼迫シナリオでの影響額を把握する
  • 燃料費高騰・円安シナリオでの電気料金への影響を確認する

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自社のオフィスビルの条件でリスクを確認する

空調・照明・電力使用量を踏まえた契約条件をシミュレーターに入力して、年間リスク額や固定プランとの比較を確認できます。